【初心者向け】ワイン用ブドウ栽培 1年間のお仕事

ワインに興味が出てくると、ワインのブドウってどうやって作るの?何て事が気になってくるんではないでしょうか?

ここでは1年間のお仕事の流れを大まかに解説しています!いずれ更新する中級編、上級編と続けていく予定ですが、まずはこの初級編で、1年間の流れを大まかに知って下さい!

ちなみに、世界的には葡萄栽培と言えば「垣根栽培」と言われるスタイルがメインで、日本みたいな棚栽培はレアです。湿気の多い国で採用されるのが、日本式の棚栽培です。

垣根栽培は整列したブドウの樹が、短い間隔で連なっている方法で、ワイン覚えたての事、どういう事?と不思議に思っていた記憶があります。下の写真で、畑こんな感じだと言うの見ると少しだけ、理解が早いです。

1年間の流れはこんな感じ

最初に1年間の流れを箇条書きしましょう。
スタート地点は、葡萄を収穫した後、つまり秋の終わりからです。

・収穫が終わる
・気持ちいいぐらい、黄色く紅葉する。
・葉が落ちて枝だけになる
・寒くなると樹液が落ちて、樹が休眠する。
・休眠中に剪定する
・3月ぐらいから新芽が出てくる
・新芽などんどん伸びるので、ワイヤーにちゃんと誘導する
・5月ぐらいに花が咲く
・ブドウが実っぽくなってくる
・ブドウが色づく
・色が完全について、成熟がすすむ
・収穫する

ちょう大雑把に書くとこんな感じです。ではこれを踏まえて秋の終わりからもう少し細かく見ていきましょう!ちなみに初級編では病気や自然との闘いには触れません。そこは中級編以上でまた改めて解説していきます。

収穫が終わり 秋の終わり~冬の仕事

収穫が終わった畑は、ブドウを作る1年の仕事を終えた、ブドウの樹が1面見事に紅葉していきます。この綺麗な紅葉で丘1面が黄色くなる様がブルゴーニュの「コート・ドール」(黄金の丘)の由来になる程、1面真っ黄色で綺麗な姿を見せてくれます。

やがて、葉っぱは落ちていくので、樹はただの肌かの、枝だけの状態になっていきます。この時点では枝だけと言っても結構、枝がボーボーなので畑もごちゃついて見えます。

ごちゃごちゃした枝がなんとなく伝わりますかね。秋の内はこのままほっておいて、冬になるのを待ってから、新しい畑仕事が始まります。

そして、寒い冬を迎えると、ブドウの樹は休眠状態になります。休眠状態とはブドウの樹の樹液が落ちて、地上部分はカラカラの状態になる状態です。樹液が昇ってうるちは、木の枝を曲げても、水分がある感じで、「ペキッ」とは折れませんが、樹液が落ちた枝は枯れ枝の様に「ペキッ」って折れるようになります。

休眠状態のブドウ畑は真冬なのでめっちゃ寒いですが、この時期に次のシーズンの準備で、もっとも大切な作業「剪定」をします。

ワインの勉強を始めて、一番イメージが沸かないのが、たぶんこの剪定です。いろんなところで、「もっとも大切な作業の1つ」なんて書かれたたりしますが、芽が伸びて、果実が実っていく過程より、冬の作業ってイマイチイメージ沸きませんよね。僕も実際にしばらくは、よくわかっていませんでした。

剪定とは「来年のブドウの枝を決めて、それだけを残す作業」と、書くとこう言う事になります。よくわからないのは変わりません!www

なぜ重要なのかはブドウの樹の特性を知る必要があります。

ブドウの樹は面白い物で、2年目の枝から出てきた新しい枝しか、ほとんど実を付けません!なので今年出て来た1年目のブドウの枝の中から、来年2年目として利用する枝を選んで残す作業をするわけです。

仕立て方に応じて、何本残すのか?とか色々ありますが、少ないと1本しか残しませんし、多い物でも10本ぐらいでしょうか。ちなみにここで詳細は割愛しますが、多い場合は、短く残し、少ない場合は長く残します。

そうするとブドウの樹はこんな姿になります。だいぶスッキリしましたね。今回の写真は長い枝を1本だけ残すパターンですね。上に向かって細い枝が1本残ってるのが分かると思います。

この1本残した枝の節の部分から、春になると新芽が出て来て、ニョキニョキ伸びていきます。それ以外の場所から出てくる新芽ちゃんはあまり実を付けません!この枝が蓄えているたんぱく質などの問題なのですが、そこまで行くと上級編なので、今回は無視します。一応名前だけ書くと「シングル・ギュヨ」と言う仕立てになります。

春のブドウ畑

冬版の1本枝を残した仕立てのもとの違う畑で、こちらは横に寝かせた、やや太い枝に、小さい枝を10本ぐらい残しておいたパターンです。俗にいう「コルドン」ですが、そこは中級編で触れます。

春になるとこうやって、残しておいた枝(コルドンだと枝って程残ってない、短い枝です)から新芽ちゃんが出てきます。可愛いですね。北半球なら早い所で3月、遅いとこでも4月中には出てきます。(南半球は9~10月)

天ぷらにして食べると美味しいと言う話を聞いた事がありますが、食べた事はありません。

このままニョキニョキ伸びていくので、上のワイヤーに固定する、誘引などの作業をしていきます。この時期のブドウの枝が伸びる速度は、結構な勢いなので、畑が広いと最初やったころの奴が、次のワイヤーに到達してるので、毎日大変な作業が続きます。

ニョキニョキわしわししていると、大体5~6月ぐらいにはブドウの花が咲くことになります。ブドウの花って見た事ありますか?ほとんどの人は見た事ない事に気が付くはずです。

それもそのはずです。これがブドウの花の写真です。

ん?どれが??

と思うんじゃないですか?いや、これなんです。この何だかちいせぇ、先っぽちょっと白いかな?ぐらいの点がブドウの花です。見た事がないのは、見てるかもしれないけど、気が付かないだけなんです。

ちなみに花は数日しか咲かず、この間に受粉しないと実になりません。なのでこの数日の間に雨が降ってしまうと、受粉があまり行われず、収穫量が大きく落ちてしまったりするので、花が咲いている時期の天候については、ブドウ農家たちはやきもきする事になります。

夏の間の変化

ニョキニョキわしわし伸びたブドウの樹は、夏になる頃にはこの上の写真よりももっとわしゃわしゃしてたりもしますが、畑の気象条件などによっても、葉っぱの量や、葉っぱの残し方が変わります。が、そこまで行くと上級編なので、今回は、へー。ふんふん。こうやって伸びるのね。で、大丈夫です。

ブドウちゃんは花が咲いてから100日が大体収穫の目安です。その100日後までにのプロセルの一番長い時期が夏場ですね。

花が咲いて結実してから6~8週間はブドウの実が大きく成長していく時期で、この時のブドウは緑色だし、実もとても硬く、全然食べられるような状態ではございません。

こんな感じで成長していき、6~8週し夏本番になってきた頃、ワイン用語で「ヴェレゾン」と呼ばれる、ブドウの実に色が付き始める時期になってきます。赤ワイン用は赤っぽく、白ワイン用は透明感が出てきます。

ヴェレゾン前と後での最大の違いは、ヴェレゾン後のブドウの実は光合成をしなくなります。それまでは葉っぱと一緒に光合成して、樹や実の成長に必要な太陽からのエネルギーを自ら作っていましたが、ここからはもらうだけです!

実も大きくなって、色が付き始めたブドウさんはこんな感じになっていきます。

この事畑仕事では除葉や伸びすぎた枝のカットなど、その環境にとって何が必要うかを考えながら、整えていきます。

ブドウの実その物に光を当てた方がいいのか?いや、ここは暑い地域で、直射日光なんか焼けちゃう!とか、風通しを良くしないとカビるな。なんか本当に地域地域でオーダーメイドな作業が続きます。

今回は詳しい話はしませんが、大体の場所で、そんな作業を助けてくれる、耕作機械やらの農機具を使います。日本では馴染みのない形をしているので写真でご紹介しましょう。

この写真は結構な大型機ですね。大規模なワイナリーの大量生産ワインなんかで使うのだとこれ位デカくなります。見てわかる通り、ブドウの樹を跨いで進んでいくわけですね。多くのワイナリーでは、機械の大小はありますが、こうやって樹を跨ぐマシーンが使いたいので、そう言った意味でも垣根栽培が向いていますし、湿度が低い地域のブドウ畑は、驚くほど背が低かったりします。

なんやかんやしているうちに、夏も後半にさしかかると、実はブドウ畑では必要最小限だけ手を加えれば十分な安定期が1月ぐらい訪れます。ここはフランスの農家さんなどは思い切ってサマーバカンスを取って、旅行に行ったちゃったりもします!後の畑作業は収穫前のちょっとした作業と収穫だけです。

実りの秋です

ブドウ畑で一番大変なのは病気との闘いだったりもするのですが、その辺は中級編以上で触れるとして、無事に秋を迎えちゃいましょう。

秋のブドウ畑の作業と言えば、もう収穫を残すだけです!秋と言っても本当に初秋ですね。北半球ですと早い葡萄は8月の後半ぐらいから収穫期に入ります。

収穫に向けて、ワイナリーでは毎日葡萄の糖度を計ったり、食べてみたりして収穫をいつにするのか、と言う最終決定をしていきます。ブドウは最後の成熟期に一気に糖度を上げてくるので、1日収穫がずれるだけで、熟しすぎたりする事もありますので、ここはとても慎重になります。

とになく何でも勢いよく成長しちゃう時期なので、この時期の雨は大敵です!土壌に水がしみこむと、それもすごい勢いで吸い上げていきます。そうするとブドウの実その物が、水で膨れちゃいます。

水で膨れたブドウと言うのは、成熟していた物を単純に水で薄める形になるので、要するにブドウの果汁を水で薄めたみたいになります。そんなブドウからは美味しいワインは作れません!!

ですから、この時期の雨と言うのは非常にデリケートな問題です。全房発酵と言って房ごと醸造する農家ですと、ブドウとブドウのすき間についてる雨(水)もそのまま醸造に回ってしまうので、それもワインを薄める要素です。

もう収穫期の雨は絶対に避けたい大問題なのです。

なので、ブドウの成熟を待たずに、天気予報次第では泣く泣く収穫を早める事もあります。自然様の都合には人間は勝てません。

ちなみにヨーロッパにはその問題が付き物の所が多いですが、ニューワールドは意外と問題になりません!なぜなら、大体のニューワールドは雨が降らなくて困るような場所にブドウ畑を築いているからですね。基本的に天候が安定している産地が多いニューワールドはヨーロッパの様にヴィンテージの違いを感じる事はあまりないのはそういう部分が大きいです。

そうして出来上がったブドウを収穫すると1年間の畑仕事もお終いです!1年間の労をねぎらいたいところですが、ワイナリーはここからが本番で、いよいよ醸造作業に入ります!一年でも一番忙しい秋は始まったばかりです。