フランスワインをわかりやすく解説【概要編】

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・フランス ワインの概要
・フランス 主な品種と生産地
・フランス オススメ生産者(各アペラシオン代表)

を解説していきます。
詳しくマニアックな情報と言うより
ちゃんと主要な所を抑えながら、わかりやすく!
を念頭に書いてい行くんで
初心者の方でも楽しめる事をねがってます!

ただ、フランスは書く事が多すぎます!
なんと言っても世界のワインはフランスを軸に動いています。

ですから、何故軸なのか?どんな特徴があるのか?
を今回の会ではざっくりと解説していきます。
初心者向けの入門編と思って下さい。

後ほど、代表的なアペラシオン毎の解説ページは作ります。
そちらは中級者向けの内容になる予定で<上級者向けも
その内書いていこうと思っています。

初心者向けでも長いですが、お付き合いくださいませー。

フランスワインの概要

フランスの気候や土壌など

色々と見る前に、まずは足元の基本的な条件を見ていきましょう。
気候とか土壌とかですね。

気候に関しては、フランスはとても多色な面を持っています。
ボルドーは海洋性気候だし、ブルゴーニュは大陸性気候
地中海の方の南フランスは地中海性気候です。
南は気温的にも暑いですが、北のアルザス、シャンパーニュは寒いです。

まぁ、一言では表せない、多様な気候をしている産地であると言う事は
なんとなくわかるのではないでしょうか?

これ程多様な気象条件を持った、ワイン産地と言うのは
実は他にはほとんど見つかりません!
お隣のドイツは基本寒いですし、イタリア、スペインは基本暑いです。

ニューワールドに関しては、少し前まで、基本的には暑いとこしか
ワイン産業が栄えていなかったので、同じ国の中で、このように気候や
気温がばらばらの国はありませんでした。
(これから違いますよ。他の国の書いてありますのでご覧ください)

土壌に関しては基本的には石灰質な土壌が多いです!
が、ボルドーだと粘土質もあれば砂質もあるし、
南仏の方にはシスト系とか、これ土壌なの?岩じゃない??
みたいな場所も有ります。

そうです、こちらも一概には言えません。
フランスの解説が長くなってしまうのは、こうやって
気候でも土壌でも、結構何でもあるからなんですね。

世界が目指すフランスワイン6大産地

ワインと言えばフランス!フランスワインが世界最高の産地だ!
と言う主張はイタリア人の反発はあるでしょうが、
ほぼ世界中の人から間違いなく認識されている事だと思います。

長い歴史でみればワイン産業自体はヨーロッパの
ギリシャの方で始まったみたいですが、ここまでラグジュアリーな
物に変えたのは、フランスの貴族の時代にまで遡らないと
ひも解けません。が、そこまで書いていく気はありませんのであしからず。

間違いなく世界最高峰の産地なのには、フランスの主だった
生産地を見ていくと、簡単にわかります。
誰もが知る名前と言えば
・ボルドー
・シャンパーニュ

があるかと思います。シャンパーニュなんて、いまだに
スパークリングワイン全体の名前だと思っている人が沢山います。
そこまで浸透するほど、誰もが知っている地名です。

ボルドーも「ボルドー色」と言えば赤ワインみたいな色を想像しますよね?
それだけ浸透するほどに、著名な産地がこの2つです。

ここにブルゴーニュを加えると、フランスでもTOP3の
超高級産地が並ぶわけです。

ブルゴーニュは一般的な名前の浸透率は低いのは
そもそもワインが高いので、あまり触れあわないからだとは思います。
シャンパーニュも高いですが、パーティーなど、触れ合う機会は沢山ありますし
ボルドーに関しては安い物も沢山あるので、まぁまぁ触れ合いますしね。

この3大産地を筆頭に、ロワール地方ローヌ地方アルザス地方
加えると、基本的な6大産地になるでしょうか。

基本から外してしまった、ラングドック地方、南西地方
ジュラ・サヴォワ地方、バスク地方など
入れてない地方の方々ごめんなさい。

でもこの6大産地を覚える事が
ワインを学ぶ上でまず最初にやるべき事です!

フランスワインは世界の軸

6大産地を覚える事が、なぜ重要なのかは、
それが「世界のワインの軸」になっているからです。
後ほど、主要な品種と産地の項目でじっくりと触れていきますが

ワインの葡萄には国際品種と呼ばれる物が、いくつかあります。
国際品種とは、だいたい皆さんがいつも見聞きするブドウ品種
例えば、「シャルドネ」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「メルロー」
等の、超メジャーな品種たちの事です。

そして、それらのほぼすべてが、フランスの6大産地の
どこかと紐づいているブドウ品種で、原産地なのです。

ほぼすべて。と言うのはアルザスだけ原産地とは言い切れないからですが
その辺りも含めて、これから「主要な品種と産地」で解説していきます。

主要な品種と産地

他の国では、「品種は品」「産地は産地」でくくって
「解説の章」をまとめるのですが、フランスだけは
品種と産地を同じ章にまとめています。
それだけ、品種と産地が密接になりながら、それが世界の標準として
語られるので、フランスだけは産地と品種同時に学んだ方がいいからです。
先にも、書いた通りまずは6大産地から行きましょう!!
(ちなみにイタリアは別の理由で、産地と品種を同時に学ぶべきですが)

ちなみにここでは概要止まりの説明になります。
詳しくは後日、産地ごとの記事を書きますので、そちらをご覧ください。

ボルドー

ここでは概要編の解説です。より詳しいのはこちらをご覧ください。

フランスで一番、そして世界でも一番有名なワインの産地は
間違いなくボルドーでしょう!

ボルドーはフランスの南西側、海に近い場所にあり
大西洋の影響を受ける海洋性気候でフランスの中では
雨が多く、湿気もある場所です。

そう、有名なワイン地にしては降雨が多いんですよね。
天候が安定しない産地なので、他の産地に比べても
ヴィンテージによって品質が左右されやすいのも、この産地の特徴です。

もう1つ抑えるべきことは、大きく分けて「左岸」「右岸」の
2つに分かれている事です。

これはジロンド川の真ん中に立ったとして、下流、つまり海側を
見て立った時の左側が「左岸」右側が「右岸」です。

ちょっと面倒くさいので、後回しにしますが、ジロンヌ川は
ドルドーニュ川(右側)ガロンヌ川(左側)が合流して、ジロンド川になります。
真ん中に挟まれた地帯もあるのですが、そこは右でも左でもない
アントゥル・デュ・メール(海の真ん中)と言う場所になります。
とりあえず、今はジロンド川が1本しかないとして、覚えてしまいましょう。
この川を全部覚えようとして、混乱するのが最初ですから!

・ボルドー左岸

ではまず左岸の事から考えましょう。
ここはメドック地区が主役で、グラーヴ地区、ソーテルヌ地区も有名です。
主役のメドック地区には明確な格付けがあり、これが「メドックの格付け」
いわゆる1~5級シャトーと呼ばれる奴です。
1級シャトーは5つしかないので、これが有名な「5大シャトー」ですね。

そして、この左岸のワイン品種と言えば
カベルネ・ソーヴィニヨン
が主役になります。

ここで主役のカベルネが、世界中がボルドーを目指せ!
と言う時代に、こぞって世界中に植えられていたわけですね。

味わいはタンニンが強くて、黒い果実の味わいが強い
そしてほんのりピーマンの様な、青っぽい香りがあるのが特徴。

・ボルドー右岸

右側のこちらは、主だった有名産地としては
サンテミリオン
ポムロール
が2大巨頭です。サンテミリオンの方が比較的
規模の大きいワイナリーが多く、ポムロールは地域も小さいし
規模も小さいワイナリーが多いので、ポムロールの方がその希少性もあり
とっても高いワインが多いです!

ポムロールにある「シャトー・ペトリュス」はボルドー全体で見ても
5大シャトーをはるかに凌ぐ価格で取引されており
現行ヴィンテージですと、1本40万円ぐらいします。。。

そんな右岸のブドウ品種はほぼ
メルロー
になります。

ここでもやはり、ボルドーを目指した世界が
こぞってその産地にメルローを植えるきっかけになっています。

味わいはカベルネに比べると、果実感がチャーミング。黒い果実に、
もう少し色調も明るい赤い果実が入る感じです。
ブルーベリージャムとイチゴジャムを想像すると分かりやすいですかね。
(最初はそれぐらいの、ざっくり認識で大丈夫です)

・その他のボルドー

ボルドーは他に白ワインも生産していますし、貴腐ワインも生産しています。

白に関しては、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンの2種類を
使って作る事が多く、カジュアルな物が多いので
ぐびぐび飲みながら覚えて下さい。
偉大な白ワインもあるっちゃーありますが、かなりマニアックです。

もう1つ忘れちゃいけないのが、貴腐ワイン。
特にソーテルヌの貴腐ワインは世界3大貴腐ワインの1つでもありあす。

価格的には、トップです。
世界中がこぞってマネをする程の事ではないのですが
セミヨン主体で造るのが、ソーテルヌの貴腐ワインです。

概要なので、ここまでにします。
ここれだけ書いて、まだ概要なので覚えるのは大変だと思いますが、
初心者の上行きたい場合は、ここでつまずいてるわけにはいきません!

ブルゴーニュ

こちらは、フランスのど真ん中より、やや東ぐらいの位置にある地域です。
「世界で一番高いワイン」として有名なロマネ・コンティが造られている
ワイン産地と言えば、なんとなくわかるかと思います。

ここは、語ると最もマニアックな世界が広がる「やべぇ産地」です。
概要編の後に、中級編、上級編、超上級編と語る事が山のようにある上に
たぶん、超上級編はいろんなところから突っ込みが来ます。
その内書くつもりですが・・・・カキタクナイ。カキタクナイ。

ワインマニアになると大体このブルゴーニュ沼にはまってしまいますので
怖い人は近づかない方がいいですよ!

高いのでお金もかかります。
普通に車変えるぐらい散在しますし、なんなら家買えるレベルで
散財してる人も沢山いる、繰り返しますが「やべぇ産地」です。

そんな「やべぇ産地」ブルゴーニュの気候や土壌などを書きましょう。
気候的には大陸性気候になります。昼間の暑さの割に夜の気温が落ちやすいです
緯度もそこそこある地域なので、全体的には涼し目な産地と言えるますが
最近、温暖化の影響で「涼しい」に疑問があるとこですが、今は目をつむります。

雨もまぁまぁ降ります。ボルドー程ではないですが。
あと、雹が局地的に降りやすいので、それが問題になったりしますね。
かつては気温が上がらず、品質が安定しなかったのですが、
ここんとこ、気温不足になる事はめーったにありませんので
割と安定した品質が確保されています。収穫量はよく減ってますが
それは霜の影響も大きいので、品質とはリンクしません。
そうここで覚えるのは「不作 = 低品質」ではない!と言うことです。
細かい事は書きませんが、収量は品質に必ずしも影響しません。
不作になったプロセスで変わりますが、この辺は上級編ぐらいで触れます。

さて、この産地のブドウ品種はなんでしょう。
まず知らなくてはいけないのは、赤白1つづつです!

まずは赤ワイン品種と言えば
・ピノ・ノワール

ほぼこの1つの品種がこのブルゴーニュの名声を気付いています。
のちに解説しますが、ガメイと言う品種あります。

ピノ・ノワールは色調が薄くて、味わいも割と軽め
タンニンも少なく、赤い果実感がイキイキしているのが特徴です。

大量生産すると、果実味よりも酸味が勝つ事が多いので
とてつもなく凡庸、いやまずいワインになってしまうのが問題です。
実際安すぎるブルゴーニュは飲めたもんじゃない!のが実情です。
気をつけましょう!

そんなブドウなのに、収穫量を減らして、果実の凝縮感をあげたり
とにかく丁寧な栽培をして作られたピノ・ノワールのワインは
とんでもなく素晴らしい香りがします。

誰がかいでも「うっとり」する事間違いなし!な
甘美な香水とでも言えばいいのか、他の品種のそれとは違う
「エロさ」見たいな物を持っていまして、これが世界中の
ワインマニアたちを虜にしてしまっています。

そして、それをブルゴーニュ以外でも当然作りたいので
世界中でピノ・ノワールが植えられるわけですが、
他の品種に比べても、ちょっとしたバランスで味わいが大きく
振れてしまうので、栽培がとても難しい品種でもあります。

・シャルドネ

世界で1番有名なブドウ品種は、間違いなく、シャルドネでしょう!
ブドウの品種名だと知らなくても、シャルドネはワインに関する言葉
と言うのは、ほぼ全員知っているのでは?と言うレベルです。

そして世界中で造られている葡萄ですが、このシャルドネは
ブルゴーニュの原産地こそが、ここブルゴーニュです。

これまたよく聞くワード「シャブリ」もブルゴーニュ地方の事で
こちらはブルゴーニュ地方のシャブリ地区の名前になりますね。
世界で最も高価なシャルドネも、ここブルゴーニュで造られています。

価格的に高価なアイコンがいると、当然他の国もこぞって
そこにあやかりたいと、生産国が世界中に広がったわけですね。

昔はアメリカで「シャブリ」とワイン名に付けたりして
揉めた事なんかも有りますが、現在は法的にそう言う事は禁止です。

シャルドネの面白い所は、世界中と言うか、その土地の気候や土壌で
味わいが全然変わってしまう事です。「個性がないのが個性
と言われる品種です。

ブルゴーニュでも北のシャブリでは酸味が強めで、キレのあるワイン
真ん中あたりでは、凝縮感と樽感も加わって
重たいワインになる傾向がありますし
南に行くとパッションフルーツの様な、南国の果実!みたいな
味わいになったりします。そうです、不思議ちゃんです。

細かい産地も今回は触れません!北、真ん中、南があるんです。

・その他

その他の赤白1種類ずつありまして、赤は

・ガメイ

ボジョレーヌーヴォーを作る葡萄と言えばわかるでしょうか?
まぁ、酸味が強い品種ですね。上手に造ると、赤い果実がいい感じになりますが
結構な確率で、すっぱくなり過ぎます。
最近、自然派ワイン会では妙に人気品種ですが、基本的には
ピノ・ノワールの格下扱いです。
高確率で1度は嫌いになって、1周して理解してあげる品種です。

・アリゴテ

こちらもシャルドネに対して、格下扱いされてしまいがちな品種です。
やっぱりと言うか、失敗すると酸が強くなり過ぎてしまします。

上手に造ると、ちゃんと果実感がありながら、キレのある酸を
楽しめる、美味しいワインになります。
が、こちらも、高確率で1度嫌いになります。
そして1周して理解できると気がやってきます!

ロワール

ここはブルゴーニュの北西、ボルドーの北に位置する産地で
東西に長く、西は大西洋の海岸線辺りから、フランスの中腹ぐらいまで
東に食い込んできます。
その為、西側は海洋性気候で、東側は大陸性気候と
気候的にも分布が広いです。

大きく分けると4つの産地に分ける事になり、西から

ナント(Nantais)
アンジュー・ソミュール(Anjou-Saumur)
トゥーレーヌ(Touraine)
セントラル・フランス(Central France)

と言う地域分けがされます。

・ナント
ミュスカデと言う葡萄を使ったワインが造られています。
シュールリー製法(直訳:澱の上製法)と言う作り方をする
独特のワインですが、基本的にはキレと旨みがあるワインです。
ちょっと軽めでカジュアルに飲むことが多いので
あまり高いワインがありません。

・アンジュー・ソミュール

白ワインはシュナン・ブラン。赤ワインはカベルネ・フラン
この2つがメインになる産地です。

シュナン・ブランはいま世界的にも人気が高まっている
なんとも気まぐれなブドウ品種で、収穫する時に同じ房の中でも
粒ごとに熟度が違ったり、その年の天候によって
出来上がるブウの糖度が全然違ったりするので
年によって、甘くなったり、辛くなったりと大変である。

確固としたスタイルが伝えづらい品種なのが、ポテンシャルは高いのに
イマイチ人気が出ない要因ではないかと思うが

美味しい物は、果実感たっぷりで酸もあって素晴らしい!
ワインを飲み始めたころには、あまり飲まないだろう品種だが
ワイン好きには、逆に嫌いな人はいない?品種ですね。

カベルネ・フランは正直、日本では人気がないです!
なんと言っても独特の青臭が気になってしまいます。
好きな人にはたまにはまりますが、基本難しい味わい。
ちなみに青い味わいの原因は果実の未熟さにあるのですが
寒い地域なので、もしかしたら今後の温暖化で花開くかもしれません。

・トゥーレーヌ

お隣のアンジュー・ソミュールと同じく
シュナン・ブランカベルネ・フランも生産されている。

シュナンブランでは特に「ヴーヴレ」の物が有名
ヴーヴレは同じ名前で、スパークリングもあれば、普通の白もあって
初心者が困惑するAOCだと思う。
基本的には甘めのスタイルも多いが、たまに辛いし。わかり辛さNo.1

カベルネ・フランでは「シノン」が有名

・ソーヴィニヨン・ブラン

ここら辺から、ロワールの主役である、ソーヴィニヨン・ブランが
作られている地域に入る。

ソーヴィニヨン・ブランはその青っぽいハーブの香りと
グレープフルーツなどの黄色っぽい柑橘系の香りが鮮烈な
とーっても爽やかなワインを作る代表選手!みたいな品種です。

この辺りの地域の物は、割とお値段も安くて
キレがあってグビグビ飲みやすい、がぶ飲みワインが中心になる。

セントラル・フランス

ロワール地方で最も高価なワインを生むのがこの地域。
ソーヴィニィヨン・ブランも、ここの物が世界でも最も評価が高い

他の3つの地域は西から順に並んでいるが、ここだけだいぶロワール川の
上流の方へ、ポツンと離れている産地で、川の向きも
他の地域では東西だが、90度曲がって南北になる。

南北になったもんだから、向かい合った産地
西側のサンセール
東側のプィイ・フュメ
は仲が悪い!様な情報が聞こえるとか、聞こえないとか。

本当に悪いのかは知らないが、要は「うちの方が旨い!」
と言う、ありがちな論争が起こる産地ですね。

サンセールはより川から遠いところまでブドウを栽培しているので
プィイ・フュメよりもスタイルを確立しきっていない気がする。

プィイ・フュメの方がスタイルの安定感はあると
色々飲みながら思う事がある。

よりリッチな物を求めるならサンセールの方が少し
単一畑の物を生産するようになったり、ブドウの熟度を
真剣に求めて、重ためのスタイルを作る事にも挑戦していて
高級感のある味わいを作る事に成功していると思う。

あと、いくらかピノ・ノワールの生産地としても
最近は注目されつつある!

アルザス

フランスでは最も北に位置する産地で、
産地のちょっと東を流れるライン川の対岸はドイツ。と言う場所にある。

ドイツとの国境沿いで、昔から戦争のたびに
ドイツになったりフランスになったりして
文化が入り乱れまくっている、ちょっと特殊な街です。

地名やブドウ品種にはドイツの名残が色濃く残る物が多く
主要品種の
リースリング
ゲヴェルツトレミネール
はドイツが本場ですが、人気は正直言ってアルザスです。

ドイツが人気を落としたのは、辛口をあまり作っていなかったからです。
アルザスの方が辛口で、世界的にも人気があり
今ではドイツも負けじと、辛口スタイルを目指いしています。

ちなみに、ここで言う「辛口」は日本人が思っているより、ずっと甘いですよ!
辛口の定義は残糖(発酵後に残っている糖分の量)によるのですが、
この辺の品種は残糖度よりも、口の中では甘く感じます。

その辺が、日本人のおじさんには受けてない印象ですが
華やかな香りがある物も多いのと、飲みやすいので
女性や若い人が飲むなら非常に入門向けなワインだと思います!
余談でした。

アルザス自体の話に戻しますと、
アルザスはヴォージュ山脈と言う山の麓に築かれている産地です。
ライン川沿いよりかは少し離れています。

この山脈が西から来る雨雲をほぼ食い止めてしまうので
めちゃくちゃ雨が少ない産地です。
雨が少ないと言う事は、晴れる日が多く、地球の北側なので
緯度の関係もあり夏の日照時間も非常に長い!

気温よりも随分と糖度が上がりやすく、
葡萄が成熟しやすい環境にあります。

これはピノ・ノワールを飲んでみると、結構はっきりわかります。
ブルゴーニュより寒い地域のはずなのに、たいていはアルザスの方が
暖かい地域を連想させる、ボリューミーな味わいになります。
(ほかにも理由はルのですが、いまは割愛)

リースリング

この辺りでは最も高貴な品種ですね。
辛口寄りに作られることが、多い品種ですが
糖度がとても上がるので、結構、残糖感がある物もあります。

モモみたいな白い果肉のフルーツの香りがいいですね。

基本的には酸がしっかりと通っているので
味がぼやけている物は滅多になく、素直に旨い味です。

初心者が最初に陥りやすい罠がある品種で
「石油香」がある品種!と習う事がかなり多いですが
実際には3年ぐらい熟成しないと出ない香りで、
若いワインを飲んで「でも石油香ないから、リースリングじゃない?」
なんてソムリエ試験でも別の回答をする話をよく聞きます。

石油香は熟成香です!!

口をすっぱくして言いたい。
でも実は酵母とか、醸造技術で人工的に手を加えて
作り出すことも可能なので、余計な事してくれますが。

ゲヴェルツトラミネール

ライチの香りが特徴的な、アロマティックな品種です!
個人的には、定期的に飲みたくなる、我が家の定番です。

残糖が0に近くなっても、甘く感じさせる果実感の強い品種。
ライチ以外にもスパイス感やバラの香りなんかもあると言われます。

とにかく香りが強いです!
こういうアロマ系品種は香りの割に味が無い。なんて事に
なる品種が多いのですが、ゲヴェルツはそこんとこ、ちゃんと味があるので
最もポピュラーなアロマ系品種になれたのでしょう。

糖分が高い物の生産も結構な比率で多いです。

・ピノ・グリ

この地域の3番手はこちらの品種。

こちらも甘口から辛口までなんでもござれの品種ですね。
他の品種よりもさらに、糖度が上がりやすいので、超辛口には
滅多に出会う事がございません。

酸度がしっかりしているので、残糖分が高くても
食中酒に出来るぐらいの物が意外と多いです。
日本のお刺身と合わせたい!とアルザスの生産者が
日本に来日している時に知ってましたよ。

・その他

他にも「ピノ・ブラン」「オーセロワ」「ミュスカ」「シルヴァネール」と
赤ワインの「ピノ・ノワール」も作っています。
説明が長くなるので、今回は割愛です。

ローヌ

ブルゴーニュの南から、地中海まで続いていく、縦に長い産地です。
大きくぶった切って「北ローヌ」と「南ローヌ」で使う品種が異なります。

北ローヌ

フランスの大阪(第二都市)リオンのすぐ南から始まる
ローヌ川沿いの細長い産地です。リオンのすぐ北はボジョレーと言うと
もうブルゴーニュの隣、と言った場所にあるので
実は涼し目の産地なのに、過去に濃いワインを生産し過ぎたのと
「コート・ロティ」(焼けた丘)と言う産地の名前のせいで
暑い産地だと勘違いされている節がある。

実際には冷涼とは言わないが温和な産地で、さほど暑くない。
雨は少なく日照は長いので、「気温が暑い」ではなく「日差しが強い
が正しい認識です。

作られているブドウの大半はシラーで、
このシラーをわざわざ過熟させて、めっちゃ濃いワインを作っていた所
ロバート・パーカーに大うけ!そして、パーカーポイントで高得点が
欲しいが為に、ひたすら濃いワインを作り続けた
今となっては黒歴史があります。

パーカーのおかげで注目される産地になったのも事実で
いまその「濃い味」産地からの脱却を模索しているところですね。
シラーは大味なブドウじゃない!を確立したいところです。

白ワインではヴィオニエの生産がメインです。
コンドリューと言う場所を中心に作られています。

熟成するとめちゃくちゃ旨いですが、熟成しないと
意外と「うんともすんとも」言わない事が多く、
日本人には人気がない。と言わざるを得ないのがコンドリューですが
世界的には高級な白ワインの定番です。

南ローヌ

ローヌ川が、開けた大地に出てくる辺りから、地中海まで広がります。

北ローヌに比べると、ずいぶんと暖かくなりますよ!
いわゆる南フランスの暖かいワインの代表がこの南ローヌです。

シラー種に関しては、暑くてちょっと厳しいので
生産量は北に比べるとずいぶん少なくなり、代わりに暑さに強い品種代表
グルナッシュが主役になる産地です。

ただグルナッシュは単一で作ると、酸が無さすぎたり
味を纏めるのが難しいので、一部の生産者しかやらず
他の品種と混ざて作るのが一般的です。

品種は主だったところだと
シラー ムールヴェードル サンソー
辺りが最も有名なところです。

この地で一番有名なのは「シャトーヌフ・デュ・パプ」と言う産地ですが
ここはブドウ品種が13品種も認可されている、と言う事でも有名です。
日本の教科書的には、全部覚えろ!的な脅迫をしてきますが
ホントにどうでもいい事です。そんなに使ってるのほぼみません。
みんなほぼ、グルナッシュ主体です。

白ワイン

白ワインは生産量が正直少ないです。先にも言った通り
ヴィオニエが一部で作られているのと、ルーサンヌマルサンヌ
グルナッシュ・ブランなどの品種が作られています。

重ためのワインになる事が多いのですが
重たいワイン代表のブルゴーニュの白が、現在半端ではなく
値上がりをしているので、代わりの重ためとしてフランス国内では
めちゃくちゃ人気が高まっていて、どこのワイナリーも
在庫が空になる程だそうですよ。

シャンパーニュ

ここまでの5つでスティルワイン(発砲してないワイン)の
6大産地は説明をしたので、最後に解説するのは、スパークリングワインの
産地として、世界でも圧倒的な知名度を誇るシャンパーニュです。

日本ではいまだにスパークリングワインを全部「シャンパン」と言う
人が沢山います!馬鹿にしているのではなく
それほどに名前が浸透している産地は、世界中に全く類を見ませんね。

ワインを学習すると、ついつい「シャンパーニュとスパークリングワインは
違うんだよ!産地がシャンパーニュじゃないと・・・
」うんぬんかんぬん

と言いたくなる所ですが、我慢しましょう。
なんか知ったか風で格好悪いので、心の中に終いましょう。

では実際にシャンパーニュは他と違うのか?と言うと
産地がシャンパーニュであって、その製法が「シャンパーニュ製法」で
作られなければいけない!と言うルールがあります。

まず産地から解説すると
産地のシャンパーニュに関してはパリの東側、ブルゴーニュの北
ぐらいの場所にある、結構北寄りの産地です。

この地がスパークリングワインの産地となったのは
結構寒い所なので、毎年安定的にブドウが熟さず、
スティルワインを作っても美味しくなかったので
発泡したワインを作った方が美味しかったから。がスタート地点です。

最近では温暖化の影響でブドウが熟さない事がほぼなくなっているそうで
品質の安定感が出ているのと、スティルワインに挑戦する生産者が
ちょいちょい出始めています。(でも高いから売れないと思う)

基本的に土壌は石灰質で、コート・ド・ブラン(白い丘)と呼ばれる場所も
あるぐらい、黒板に書くチョークみたいな白い台地です。

次にシャンパーニュ製法で作る。が絶対のルールなのですが

・瓶内2次発酵
・2次発酵の期間は最低12ヶ月

が主だったルールです。
瓶内2次発酵と言うのは、まず普通にワインを作ります。
それをいったん瓶に移して、その時にちょっと糖分と酵母も加えます。

そうすると、その加えた糖分を酵母が食べて、
アルコールと二酸化炭素に分解するのですが
ちょっとバッチイですが、わかりやすく言うと

酵母くんが砂糖食べて「うんち」(アルコール)と「おしっこ」(二酸化炭素)

する感じですね。
この時瓶のふたが閉まっていれば、二酸化炭素は逃げ場がありませんから
瓶の中に閉じ込められたままになります。
これがシャンパーニュの炭酸です。

で、この製法を編み出したのが、かの有名な「ドン・ペリニオン」と言う
噂ですが、実際にはもう少し前に南仏(リムー)で開発されています。
ただ、ここまで伝わっては来てなかったぽいですが。

そして、現在ではこの方法その物を「シャンパーニュ製法」と言います
他にも呼び名はありますが、世界中で通じるので大丈夫です。

シャンパーニュ製法は圧倒的に手間とコストが他のスパークリングワインの
作り方よりもかかりますので、いまでは高級スパークリングは
みなシャンパーニュ製法で作られいます。

その他の製法に付いてはいずれ、スパークリングワイン解説でも
記事を書きますので、その時にでも。

ちなみにシャンパーニュで使う葡萄は主に3つです。
(ほかにもありますが、今は割愛)
ピノ・ノワール」「ピノ・ムニエ」「シャルドネ
を使うのですが、最初の頃「あれ?」って思うのは
赤ワインの品種じゃないのそれ?と言うところですかね。

答えを言えば、赤ワインの品種でも白ワインの作り方
要するに果汁だけ絞って発酵させる。
を実行すれば、白ワインになります。

シャンパーニュではこの方法で、赤ワインの品種から白ワイン造ります。
ちなみにロゼは赤ワインの品種を最初に皮ごと漬け込めばいいわけです!
(ロゼはほかの方法もありますが、割愛)

その他の産地

フランスにはほかにも産地がまたあります。

代表的な所を名前と品種だけでも上げておきます

・南西地方

ボルドーの南ぐらいにある産地。
カオールが最も有名でここでは「マルベック」が主役。
近くのフロントンと言う産地には、フランスには珍しい自葡萄で
ネグレット」と言う物がある。南だけどエレガントで野性的な
変わり種で、個人的には結構好きです。

・ジュラ・サヴォワ

ブルゴーニュの東側にある、最近人気が高まっている生産地。
主要なブドウはジュラでは「サヴァニャン
サヴォワでは「モンドゥーズ」がある。
自然派ワインが非常に多くて、学ぶためのレベルが高い。

伝統的にはヴァン・ジョーヌと言うワインがあるが
基本的には高価なのと、作るのに時間が最低5年必要なので
最近ではヴァン・ジョーヌっぽい生産をするワインも増えている。

・ラングドック&ルーション

フランスでは昔から、安ワインの一大供給地として知られる
地中海沿いの産地でローヌより西側からスペインぐらいまで続く。
ラングドックとルーションを別に考えたい!と言う地元の熱意はあるが
残念ながら、ソムリエでも一部の人にしか響いていない。
グルナッシュ カリニャン ムールヴェードル サンソー シラー
など多品種。白ワインの生産もあるし
その他の国際品種も大体作ってる、なんでもござれ!

いま安ワインだけじゃない事を、めちゃくちゃアピールしたいのに
めちゃくちゃアピールがへたくそな産地です。
本業的にも専門分野なので、いずれ超詳しい記事書きます。

・プロヴァンス

ローヌから東側の地中海沿いの産地。
事で有名なのは圧倒的に「ロゼワイン」ですね。

今やフランスの食卓では白ワインよりも需要が高いと言われる
(実際に消費量が白ワインより多い!)
大人気のロゼワインでNo.1の産地です。

赤も白も作ってはいますが、少量ですね。

赤ワインとロゼの品種は、だいたい同じで
グルナッシュ サンソー ムールヴェードル
辺りが多いところ、白ワインは
ロール(ヴェルメンティーノ)、ユニ・ブラン(トレッビアーノ)
と言うのがあります。ヴェルメンティーノはイタリアでの名前ですが
そっちの名前が売れているので、最近ではフランスの生産者も
ヴェルメンティーノを名乗る事が増えています。

オススメの生産者

オーストラリアワインをわかりやすく解説

フランスは書く事が多すぎて大変です。
これだけ書いて、ほとんどさわりし書けていません!ので
おすすめの生産者は、6大産地のベンチマーク的な生産者をご紹介します。
各生産地を代表する味わいで、よく見かけるし、大規模で安定感もある
その産地を勉強するのに軸になる生産者ですね。

シャトー・モンペラ

かつてロバート・パーカー全盛期に、一世を風靡したシャトーですね。
日本でも「神の雫」で称賛されて大ブームになりました。
ちょっと過去形なのは、その頃の大味イメージから脱却が出来ずに
もがいているからですね。

だからこそ、ベンチマークに選びました!
いまのモンペラを飲んで、かつてはもっとガッツリ濃かった!
と言う想像をしてみて下さい。そして今のボルドーの姿は
ここにあるんだな。と基準にしてみて下さい。
見える世界が変わるはずですよ。

ドメーヌ・ミシェル・グロ

ブルゴーニュの中でも最も高価なヴォーヌ・ロマネ村に本拠地を構える
ブルゴーニュの名家、グロ一族の総本山です。

毎年ほんとうに安定した酒質を誇り、
そのすべてがブルゴーニュらしいと言う
ベンチマークと言ったらこの人を置いて他にないでしょう!
と言う生産者ですね。

いまだにブルゴーニュ・ルージュとかオート・コート・ド・ニュイ
クラスのワインなら3000円程度で買えるので、これ以上に
お勉強に向いている生産者は思いつきません!

ヴォーヌ・ロマネのワインを飲めば、ヴォーヌ・ロマネ
シャンボール・ミュジニーを飲めばシャンボール・ミュジニー
の味をちゃんと感じられるのも最高です。

しかもちゃんとマニアにもファンが沢山います!!僕もその1人ですし。

トゥーレーヌ

圧倒的に迷ったのがロワールです。
品種も多様なうえに、これと言った指標になる様な生産者が
あまり思いつかない産地です。
同じ多様さを持ったアルザスとはえらい違いです。

そこで、ソーヴィニヨン・ブランが主役の産地なので
ソーヴィニヨン・ブランのベンチマークとして
ベンチマークになる産地を紹介する事にしました。

トゥーレーヌをベンチマークにするといいかと思います。
もっとも高価なサンセール、プィイ・フュメよりも複雑さなどは無いですが
その分素直にロワールのソーヴィニヨン・ブランってこう言う物だよ!
と寄り添ってくれるものが多い産地です。

ハズレを引く事もまずないので、最初にロワール・ソーヴィニヨン
を知るなら、まずトゥーレーヌが安定しています!

ヒューゲル

黄色いラベルでお馴染み、アルザスを代表する巨大ワイナリーですね。
地元の政治的な実験も彼らが持っているとか、持っていないとか。

アルザスは1つのワイナリーが作るブドウ品種が多く
作るワインの種類がめちゃくちゃ多くなりがちです。

小さいワイナリーは実は、醸造設備のやりくりにも苦労して
その酒質が安定しない事もしばしばありますが
そういう部分、こう言った大手は、設備投資にお金がかけられるので
安定感では抜きに出ていますね。

ベンチマーク的に存在と言うのに異論がある、ワインマニアは
たぶん、いないのでは無いでしょうか?

ギガル

ローヌではNo.1にデカいワイナリーです。
そしてトップキュヴェに関しては、評価も常にトップクラスです!

デカいので、デイリーレンジから扱っていますし、
北から南までいろいろなアペラシオンのワインも生産しています。
ローヌを知るにはまずギガルでその評価軸を養いましょう!

アンリオ (シャンパーニュ)

何を持ってきても賛否両論来そうな産地です。
が、とりあえずモエ・エ・シャンドンは辞めときましょう。
理由は品質が安定しないからです。
安定しないのは生産者のせいではなくて、流通のせいですね。
流通量が多く、どこのスーパーでも売ってるぐらいの物ですが
ワイン扱わないような、とこでも扱うので非常に雑な流通をします。
高温に弱いですからね。夏場なんて野ざらしにされて可哀想です。
モエは味の基準になりません!!

ので、比較的スーパーでは見かけない専門店の扱いだと
しょっちゅう見かける、辺りの生産者から「アンリオ」を
オススメしておきましょう!

これ以上は語らんです。何言っても、いやこっちの方が!
って色々突っ込まれそうだから。

でも扱っているところが、あまり雑なとこではないですし
それなりに市場で見かけると言う条件では、ここを基軸に
色々飲んでみるといいかな?と言う所です

シャンパーニュは大体、お気に入りの大手メゾン。と言うのが
個人の中に出来上がってきます。
僕の場合はテタンジェが好きですね。一応紹介しておきましょう。

自分の好きを見つけるのも楽しみな産地です。
高いんで、お財布に優しくないですが・・・

まとめ

本当に、長々と書いてきましたが、フランスはこれでもまだ概要です。

6大産地のブドウ品種が基本的には「国際品種」と言われている品種で
それぞれの世界一と言われる産地が、みんなフランスにある!
だからこそ、世界中がフランスワインを求めるし、作る。

と言う事はお判りいただけたのではないでしょうか?

ワインを覚えるならまずフランス!

なのには、ちゃんと理由があるのです。

この後もちょいちょい、中級編や上級編も更新していきますので
お楽しみにー!

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