ポートワインを初心者にもわかりやすく解説

なかなか日本人には馴染みが出てこないお酒の1つが、この酒精強化酒と言うジャンルじゃないですか?あまり飲みませんよね?僕も、正直あまり飲みませんが、ポートは中でも飲みやすいし、開けても悪くならないので、地味に常備はしています!

そんな、ポートワインに付いて、ワイン学ぶ、特にソムリエ試験受けたいぞ!なんて時にはお勉強もしなくてはいけません。馴染みのないジャンルをなるべくわかりやすく解説します。解説の流れはこんな感じです。

・ポートワイン概要(さくっと終わります)
・ポートの種類は大きく分けて2つ
・ポートの作り方
・ポートの畑と産地

博士に慣れる程の詳しい解説はしませんが、解説を読めば、なんとなくポートに詳しくなれると思いますよ!何気に美味しいので是非是非トライです。

ポートワインとは?

ポートワインとはそもそも、いったいどんなお酒なんでしょう?酒精強化酒だと言う事は、なんとなく最初の文言でわかったかと思います。

では、酒精強化酒ってどんなお酒だかわかりますか?

酒精強化酒は読んで字のごとく、お酒を強化したお酒です。英語だと「fortified wine」と言う単語になりまして、「fortified」が「アルコールを加えて強化した」と言う意味になります。

つまり、元あったワインに、アルコールを添加して、アルコール度数を強化して作ったお酒が、酒精強化酒で、ポートワインはその仲間です。

もう1つ概要で抑えておきたい要素は、ポートワインはすべて甘い!と言う事ですね。辛口のポートと言うものはありません。シェリー酒とはそこら辺がだいぶ違いますが、両方あるシェリー酒よりか、わかりやすいですよね。

これぐらいわかっていれば概要編は大丈夫です!

ポートの種類は主に2つ

さて、なんとなく酒精強化酒の事がわかったので、続いてポートワインの種類に付いて解説しましょう。

ちゃんと書くと細かい分類が色々あるので、それは後半戦に書くとして、最初に伝える種類は2つだけです!ちなみに赤以外もあるのですが、今回はそこの故地ついては触れません。赤のポートだけを解説します!

ルビー・ポート
トーニー・ポート

この2つだけが覚える種類です。これがまた後半戦でわかり辛いのですが、でも大分類はこの2つだけなんです。ルビーもトーニーも色の事を指す単語なので、読んで字のごとくの分類です。

ルビーの方が明るい赤の色調で、トーニーの方が茶色が入った赤と言うぐらいの認識で大丈夫です。実際にルビーポートは結構濃い赤です。ポートワインは色調が非常に濃くなるようにわざわざ作るので、がっつり色ですね。

すこしずつ詳しい解説に入ると、そもそもこの2つは同じ作り方をしていきます。分岐点はどこかにあるのか。それは「瓶詰までどれぐらい樽の中にいるのか」がポイントになります。

ルビーポートは基本的には1~3年ぐらいの熟成を経たワインを瓶に詰めたポート。基本的に酸化は避けるように、「第一アロマ」と言われる果実感などを楽しめるようなスタイルを目指して作る事になります。

トーニーポートはもう少し長期熟成する物が本当のトーニーポートで、ピペ(pipes)と言う樽で、酸化熟成を狙っていきます!その結果、熟成により色調が抜けて行って、濃い赤よりも薄くなって、茶色身を帯びた、トーニー色になります。味わいも「第一アロマ」はほぼ抜けて、コーヒーやらキャラメルやら「第三アロマ」と言われる部分が占めるようになります。

面倒くさいのは安物のトーニーポートはこの色を作り出すのに、白のポートをブレンドしたり、そもそものタンニンの抽出を抑えたり、暑い所で熟成させたり、きつめに濾過したり、けっこう強引な方法で色を抜きにかかります。

こう言う事するから一般消費者に響かない物になってしまうので、反省した方がいい!と個人的には思います。が、現実的にはこんな感じです。

ルビーにもトーニーにも上級なジャンルがあって、共通の格上ジャンルとして「Reserve」がまずあります。選定基準が、公式テースティング審査員がいて、そこの審査に通る事。なので結構あいまいな様な、信頼できるような感じです。ちなみにトーニーは最低6年熟成してないとダメです。

レイト・ボトルド・ヴェインテージ(Late Bottled Vintage, LBV)

はルビーポート用の格上企画です。通常1~3年の熟成を4~6年ぐらい、遅い時期まで熟成するので「Late」ですね。大樽であまり酸化させないような長期熟成させるので、第一アロマがちゃんとあります。

大抵濾過してから、瓶詰めするので瓶詰後は熟成しませんが、高品質な物はあえて濾過せずに熟成出来るスタイルにする事もあります!

ヴィンテージ(Vintage)

基本的に超出来のいい年にしか造らないポートの種類です。大体10年に2~3回とか。ちなみにワイナリー毎に決めるので、ワイナリーが違えば、ポートのヴィンテージは違うのは普通の事です。

ヴィンテージの作り方も独特で、2年目ぐらいに自らヴィンテージを作る事を宣言する事で、ヴィンテージポートを生産する事が可能です!

燃える
燃える

うぉー!このヴィンテージすげぇ!俺はこのヴィンテージを宣言する事に決めたっ!うめぇぞバカヤローーーーー!

っていう、テンションで決めます。
濾過せずに3年目までに瓶詰するので、残りの熟成は瓶の中でする事になります、大量のタンニンも一緒に瓶詰するので、熟成にはかなり耐えられます!が、瓶の中の澱は半端ねぇです。

トーニー・ウィズ・インディケーション・オブ・エイジ(Tawny with an Indication of Age)

長くて覚えれられない奴ですね。早い話がトーニー・ポートの規格で「年数を表記した」と言う意味です。結構長めの熟成の規格で「10年」「20年」「30年」「40年」などがあります。ちなみに「20 years old」みたいに書きます。

また、面倒くさい事に、別に単一年ではなくてブレンドして作るので、平均熟成年数の表記でいいらしいです。色々わかり辛いですね。

っと、こんな感じで、2つしか覚えなくていい!って言ったわりには後半戦は、超難解になってしましました。がポートの種類でした。

ポートワインの作り方

お次はポートワインの作り方です。まずはざっくり手順を言うと。

ワインを作る → アルコールを添加する

が、工程になります。まぁなんとなくそうだろうと言う内容ですが、普通のワイン作りとは、このワインを作るの部分もちょっと違います!

普通のワイン作りと一番違うのは、発酵させる期間が非常に短い事です。なんと1日半ぐらいしか発酵させません。濃いワインを作っているのにですよ?普通、濃いワインはしっかりと皮を漬け込んで2~3週間かけて作る物です。なぜポートは濃いのにわずか1日半ぐらいなのか?と言う疑問が当然出てくると思います。

まず、ポートは前提として「甘口」で作ります、その為には、ブドウが持つ糖分を酵母さんに全部食べさせるわけにはいかんのです!全部食べるとアルコール度数が14度とかになるところを、5~9度ぐらいで発酵を辞めて頂いて、糖分をちゃんと残したいわけです。なので、発酵1日半ぐらいの時点では、早くもアルコールを添加して、発酵を止めます!

甘口にするために、発酵を早く止めるのはわかったけど、タンニンが濃い理由がまだわかりませんね。次はそこの解説です。

タンニンはブドウの皮と種が持っています。特に色素はブドウの皮です。それを素早く抽出するためには、のんびり漬け込んでられないとなれば、思いっきり絞ってやればいいのです!

いくつかの醸造法

この方法がいくつかあって、一番伝統的かつ高級な方法は、この章の冒頭の写真にある、浅いプール(lagar)にブドウを入れてひたすら踏み続ける「Foot treading」と言う方法を使って、ブドウの色素とタンニンを強引に抽出します。

発酵が始まるまでひたすら踏み続けるらしく、3~4時間かかるそうです。もはやマラソン並みの労力が必要な大変な方法なので、現在では高級ポートワインにしか使われない手法になっています。

次の方法はFoor treadingを機械で再現する作戦です。「Piston plungers」と「robotic lagerres」と言う2つの方式があり、robotic lagerresの方が浅いプールを使う方法なので、見た目は伝統的な方法に近いです。

Piston plungersは円形のステンレスタンクの中で、足に似せたマシーンが踏み踏みする感じですね。

両方共、足踏みにそん色ない方法と言われていて、高級なポートワインでも広く使われている方法なので、高級な奴は大体踏んでる!!と言う所を抑えておきましょう。

もう1つ方法があって、「Autovinifiers」と言う方法が一番安価なポートに使われる方法です。これは潰したブドウを密閉した容器に入れて、発酵で生まれた炭酸ガスの圧力でブドウを潰しつつ、パイプを通して一部の果汁を圧力の力で、タンクの上まで押し上げておきます。

その後、一定の圧力でいったんガス抜き。すると、タンクの上まで押しあがった果汁が、発酵しているブドウの上から降り注ぐ事でかき混ぜる方法です。意外とのんびりしてなくて、15~20分起き位に、ガス抜きがあるらしいですよ。

ただ、これだけじゃイマイチ抽出しきれないので、さらに機械式のパドルで混ぜていたりと、とにかく強引に色素を出していきます。

添加するアルコール

さて、そんなこんなで、ワインが発酵して1日半ぐらい、アルコールを添加して発酵を止めなくてはいけません!

そこで、添加するアルコールはアグアルデンテ(aguardente)と言われるスピリッツを添加します。ちなみに意味は「燃える水」だそうです。

添加するスピリッツとしては意外とアルコール度数が高くなく、最高でも77%の物らしく、完成するポートのアルコール度数が19~22%で、1日半かけた作ったワインのアルコール度数が5~9%と言う事は、ポートワインの20%がスピリッツで出来ている!なんて事もあります。

結構な量のアルコールなので、味わいの影響がでかそうなんですが、その辺を詳しく解説した資料を見たことが無いです。

そして、アルコールを添加したポートワインを樽に入れて寝かせて、前の章で説明した通り、ルビーポートになったり、トーニーポートになったりするわけです。

ポートワインの畑と産地

ポートワインはポルトガルの北西部分にあるPortoの街が名前の由来になっています。当然その周辺が産地になるわけです。

主に2つの部分に別れているのがこの産地の特徴です。地図で見てもわかる通り、西側は思いっきり大西洋です。当然、ながら気候帯は「海洋性気候」になります。地図で言うと緑のとこですね。名前を街の名前と同じで「ポルト」と「ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア」と言います。

もう1つの東側、紫になっているところは、海からはそんない遠いわけではありませんが、海との境に山があるので、東に進むほど大陸性気候に変わってきます。と言うかほぼ大陸性で、紫の中での海よりだけ、若干海洋性っぽい雨が多めの気候になるそうです。こちらの名前は「ドウロ地域」と言う場所になります。

2つの地域と言っていますが、実際には高品質な物はほぼ「ドウロ地域」で生産しています。ドウロ地域の方が、明らかに暑い気候で、沿岸部は涼しい気候を利用した、ワインセラーの役割の方が大きいみたいです。(最近はエアコンあるのでなんとも)

ポートワインの産地を見る時は大体「ドウロ地域」の方を見る事になります。

ドウロ地域はその中で、さらに3つの地域に分けられており、西側から順に「バイショ・コルゴ」「シマ・コルゴ」「ドウロ・スペリオール」と言う3つに分かれています。すべてドウロ川沿いとその支流の渓谷に築かれている産地で、西は寒くて雨が多い。東は暑くて乾燥している。が覚えるポイントです。

東の方は雨が少なすぎて、普通ならブドウ栽培が出来ないぐらい。だそうですが、この辺の土壌はシスト土壌と言う岩板で出来た土壌で、シストは割れ目が入りやすい土壌なので、その隙間を縫ってブドウの根が伸び、地中の水源から水を確保する事が可能らしいです。この辺は旧世界の英知ですね。ニューワールドなら速攻で「灌漑すればいいじゃん」以上終了です。

ちなみに最も高級なポートが多い産地は、真ん中の「シマ・コルゴ」次いで、「ドウロ・スペリオール」。たドウロ・スペリオールまで行くと、そもそも畑もワイナリーも少ないようなので、実質的に割合で言えばドウロ・スペリオールが最も高級産地です。

畑の構造

ポートの畑を覚える時は、普通のブドウ畑と少し違う作りをしている事を覚えなくてはいけません。

基本的には切り立った斜面に築かれる事が多く、また急斜面程、上質なブドウが取れるので、段々畑が結構あります。ただ、段々畑はその構造上、機械が入れられずに、人の手ですべての農作業をする必要があります。とっても手間とコストがかかるこの畑の名前は「ソカルコス」。段々畑を作るために崩れないように、石垣を積み上げる必要もあり、さらにそれを維持するのにもコストがかかります。ソカルコスは高いのです。

ついで、もう少しましな斜面になると、パタマレと言う畑の構造になります。これは斜面に対して、斜めに横切りながら、トラクターが通れる道を作ります。日本人にはお馴染みの左行って、右行って、つづら折りになる山道みたいな感じです。パタマレですと、トラクターが途中まで入れるので、機械化も可能ですから、だいぶ楽になります。

そして、さらに緩斜面の場合はがっつり機械が使えるように川に向かって、垂直にブドウ樹の畝を伸ばす(斜面の上から川に向かって伸びてる感じです。)「ヴィニャ・アォ・アルト」と言う構造の畑になります。この辺りは平坦って事は余りないらしいので、緩斜面で機械を入れられるようにしてるわけですね。

ブドウの品種

さぁ、ポートワインの解説も終盤です。最後はブドウの種類をさらっとお伝えしましょう!

ポートワインの面倒くさい所の1つでもありますが、主だった品種で5つもあるし、そのどれもが馴染みのない響きです。

・トゥリガ・フランカ
ティンタ・ロリス
・ティンタ・バロッカ
トゥリガ・ナショナル
・ティンタ・カン

正直覚えるのは困難ですし、頑張らなくてもいい気はします。でも、もし覚えるならこの2つにしとけ!と言う事で2つだけ赤にしました。

ティンタ・ロリスは早い話がスペインで有名なテンプラニーリョです。この地域でのシノニムがこの名前なんですね。

トゥリガ・ナショナルは馴染みが無いと思いますが、2019年に実はボルドーで新しく認可される事が決まった品種です!ボルドーは今後の温暖化を見据えて、暖かい地域でも耐えられるブドウを今のうちから栽培しておこうとしているわけですが、その1つにこのトゥリガ・ナショナルが選ばれています。たぶん20年後ぐらいにはお馴染みの品種になるだろう事から、選びました。

基本的にはどの品種も濃いワインを作れるような、いかにも南な品種です。もちろん中には、その中でもよりエレガントとかはあるみたいですが、普通の醸造したものを飲んだ事がほぼないので、よくわかりません。。。

まとめ

正直言いまして、まともにおススメの生産者を紹介できるほどの、ポートワイン経験ありませんので、オススメの生産者は紹介いたしません。

ポートワインは余り馴染みは無いかもしれませんが、日本人が嫌いな味ではないはずです!お料理にも使いやすいですし、お家に置いてあると重宝する1本ですよ。

食後にチョコレートつまみながら、軽く飲む!なんてスタイルにもとても向いてますし、非常に長持ちするものも多いので、超オールドヴィンテージをプレゼント!なんて事にも使えます!

楽しいポートワインライフが出来たら、たぶんおしゃれです!!その内目指しましょう!!