ブルゴーニュ【初級】コート・ドールを解説

ブルゴーニュの主役と言っていい地域がこの「コート・ドール」です。

世界一高価なワインとして聞いた事がある「ロマネ・コンティ」もこのコート・ドールから産出されています。

【超初級編】で全体をざっくり解説しているのがこちらにあるので、まったくブルゴーニュがわからないぜ!と言う方はこっちから読むといいと思います。

ここはもう少し地域を絞って「コート・ドール」について、初心者にもわかり易い様に、ざっくりと解説していきますよ。

コート・ドール Cote d’Or とは?

ブルゴーニュ【初級】コート・ドールを解説
出典: Fernando Beteta

コート・ドールはブルゴーニュ全体で言うと、飛び地の「シャブリ」を除けば一番北側にある産地です。

ブルゴーニュワイン全体で言っても間違いなく、主役を張る地域。そしてお値段としても間違いなく世界で一番の高級産地です!流通価格では

1,000円台~ 2,000,000円台

さすがに3桁万円はレアですが2桁万円は結構ざらです。ちょっと信じられないですが、こんな現状です。高すぎますが、それだけ世界中のワインラヴァーが追い求めている産地でもあります。

全体の気候

割と北の産地なので冷涼とまでは行かなくても、温和気候(Moderate Climate)に属します。まぁまぁ涼しいって事です。

気候区分では「大陸性気候」。昼夜の温度差が激しいのが特徴で、雨が少ない特徴もあるのですが、ブルゴーニュ辺りはそこそこ降るのと、5~6月の生育期に降りやすいので、大陸性気候にしては病気との戦いも激しい産地です。

全体的にちょっと高い位置にあり、大体「標高 300-400m」ぐらいの場所にあるのがほとんど。

気温は夏でも30℃に届かないのは珍しくなく、最低気温は15℃以下も珍しくありません。

もう1つ重要なのは、いい畑はほぼすべて「東向き斜面」だと言う事です。

東向きは朝日が1番に当たるので、朝露で濡れたブドウがいち早く乾きます。これはブドウの病気対策にもの凄く有利です。病気の原因はカビが1番ですからね。

そして、朝から夕方までずっと日が当たるのも、ブドウの成熟にとっていい事です。南斜面だと日差しが強くなり過ぎて、ピノ・ノワールだと過熟気味になる事があるのも大きな理由ではあります。

気候で、近ごろ問題なのは温暖化で全体的に気温が上昇気味なのと、熱波が夏に襲来する事があります。熱波が来ると40℃ぐらいまで上がるので、ブドウ自体にダメージを与えてしまう事もあります。

2019年は2回襲来していますし、この記事を書いている2020年も1度襲来しています。

全体の土壌

土壌は語るとマニアックこの上ない解説があるのですが、凄いざっくり言ってしまうと「粘土石灰質土壌」です。

ブルゴーニュはほぼすべて「粘土石灰質土壌」と考えて大丈夫です。この粘度石灰質の中にその土壌が形成された年代とかで物凄いマニアックな世界が広がるのですが、いまは「粘土石灰質土壌」だけ抑えれば充分です。

・粘土と石灰が混ざってるんです
・石灰があるのでアルカリ性でミネラル感が出る
・まぁまぁ水捌けがいい

この3点ぐらいを抑えればOK。

ブドウ品種

一応赤白2品種ずつありますが、そこら辺は超初級編をご覧くださいませ。

主だったブドウは2つだけで「ピノ・ノワール」と「シャルドネ」です。

共に世界で間違いなく最高評価を得ている産地がブルゴーニュでもとりわけ「コート・ドール」なのです。

畑に格付けがある

ボルドーを学んだ後だと、なおさら混乱するのが、この「畑に格がある」問題ですね。

ボルドーは「シャトーに対して格」が付いています。例えば5大シャトーはグラン・の中でもクリュ「1級」と言う格があります。

しかし「シャトー・マルゴー」の畑はどこなのか?と言う事にはほぼ触れてきませんよね?調べればもちろんわかるのですが、でも簡単に検索しても出てこないし、さほど重要視されていません。

大事なのは「作ったのが誰か」であって、その畑がどこかではありません。

それに対して、ブルゴーニュは「畑に格」があります。

例えばジュブレ・シャンベルタン村に「シャンベルタン」と言う最高ランク(グラン・クリュ)の畑があるのですが、そのシャンベルタンは所有者が沢山います。

横文字だと想像しにくいので日本語で解説しましょう。

例えば日本のブドウ産地「甲州」辺りに「甲斐の丘」って言う、それはそれは美味しい巨峰が取れて、もはやブランド化してるとしましょう。

世界最高の巨峰 甲斐の丘 1房1万円」

みたいな謳い文句で売ってる巨峰を想像してください。その「甲斐の丘」ブドウ畑は1つなんですけど、所有者は数人います。

ブルゴーニュ【初級】コート・ドールを解説

例えばこんな感じに、1つの畑を分割して所有している感じですね。

畑を所有しているので鈴木さんも池上さんも「甲斐の丘」と銘打って巨峰を売れます!最高峰ですから高い値段で販売も可能ですね。

日本ではあんまりこんな事ないですが、ブルゴーニュのブドウ畑はこんな感じです。1つの畑を分割して所有してるんです。

先の「シャンベルタン」って畑は12.9haの大きさなのですが20人以上の所有者がいます。上のイメージ図(日本版)で飛び地に佐藤さんが右下の方も所有してますよね?

ブルゴーニュではこんな「飛び地での所有」も日常茶飯事です。

ブルゴーニュ【初級】コート・ドールを解説

こんな感じの畑で「この2列がうちの畑なんだ!」なんて事もあります。

格付けの種類

・地域名(rigion)
・村名(village)
・プルミエ・クリュ(1er Cru)
・グラン・クリュ(Grand Cru)

この一覧が、この地域についいる「畑の格」です。下に行くほど格上でお値段もべらぼうに高くなっていきます。

地域名に関してはもう少し分かれていて

・ブルゴーニュ
・コート・ドール

・オート・コート・ド・ニュイ
・オート・コート・ド・ボーヌ

に分かれます。上2つは広域リージョンと呼ばれる物で、ブルゴーニュ格ならブルゴーニュ中のブドウが使えます。

コート・ドールはコート・ドール内のブドウ

下に2つ少しスペースを空けて書いてある「オート・コート」は少し性格が違って、この辺「オート・コート」ね!って区切られた地域があります。小さな村の集合体で、村名格を貰えるほど際立っていない所の集まりですね。

村名は文字通り、村の名前がついてるワインで、決められた村内のブドウを使う事が出来ます!

プルミエ・クリュは1級畑と呼ばれる畑で、1つの畑から造った場合はその畑名も名乗れますが、同じ村内なら1級以上の畑なら混ぜてもOKです。

その場合例えば「ジュブレ・シャンベルタン 1er Cru」とだけ書かれます。

グラン・クリュは最高ランクの畑で「特級」を意味します。1級と特級ってどっちが上かわかり辛いですよね。僕はしばらくよくわかってなかったですからね。最初は「ふーん」で大丈夫です。

ただし、グラン・クリュは混ぜられません!そして、村の名前も書かなくてよくなり、「畑名だけの表示」で大丈夫です。「グラン・クリュ シャンベルタン」だけでよくなります。「ジュヴレ」が表示されてないですよね。

2つの地域に分かれる

コート・ドールはその中でも2つの地域に大きく分かれます。

・コート・ド・ニュイ(Cote de Nuits)
・コート・ド・ボーヌ(Cote de Beaune)

の2つでニュイが北側、ボーヌが南側です。

コート・ド・ニュイ Cote de Nuits

こちらは主要品種が「ピノ・ノワール」になる産地です。

世界の名声を一手に集める、ピノ・ノワール発祥にして聖地と言われる場所と言っても過言ではありません!

あの有名な「ロマネ・コンティ」もここにあるのです。

村名を名乗れるAOPが8つあり

・フィサン
・マルサネ

・ジュヴレ・シャンベルタン
・モレ・サン・ドニ
・シャンボール・ミュジニ
・ヴージョ
・ヴォーヌ・ロマネ
・ニュイ・サン・ジョルジュ

があります。「フィサン」「マルサネ」だけちょっと離して書いているのは、この2つは正直ちょっと格下に見られがちだからですね。値段も安いですよ。

下の5つの村は特に評価が高くて、ブルゴーニュ好きがこぞって追い求めているのはこの村々から出来上がるワインです!ニュイ・サン・ジョルジュにだけは「グラン・クリュ」がありませんが、他の村はすべて「グラン・クリュ」が有ります。

最高峰は「ロマネ・コンティ」で名前で察する通り「ヴォーヌ・ロマネ」にあるグラン・クリュ畑です。

余談ですが「ロマネ・コンティ」は畑が分割して所有されていません!「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ社」(通称DRC)が単独で所有しています。

こう言った単独で所有している畑を「モノポール」(単独所有)と言って、1つの生産者からしか出てこないので、希少性が高まり価格が上がる傾向にあります。

話を戻します。

コート・ド・ニュイはピノ・ノワールがメインの産地で、そのスタイルは「エレガント」なピノと言われている所です。

確かに南側のボーヌに比べると、「赤い果実」の味わいが目立ち、「黒い果実」はなりを潜めます。

そのチャーミングさが世界中でなかなか再現できず、代わりが効かない産地としてより希少性が高まり、お値段もガンガン高騰しているのが現在のこの辺です。

村々にも個性が語られる事が多いのですが、そこまで突っ込むといよいよ中級なので、そこら辺は中級編にまとめます。

コート・ド・ボーヌ Cote de Beaune

こちらのボーヌ側になると主役は「シャルドネ」です。ただし、ニュイ側と違ってほぼ「シャルドネ」なんて事は無くて、「ピノ・ノワール」の生産量も結構ちゃんとあります!

特にボーヌの中でも北側はピノで有名な所もあるぐらいで、ニュイより難しい産地です。

村名格を名乗れる村もはるかに増えて

・ラドワ
・アロース・コルトン
・ペルナン・ヴェルジュレス

・サヴィニー・レ・ボーヌ
・ショレイ・レ・ボーヌ
・ボーヌ

・ポマール
・ヴォルネー

・モンテリー
・オーセイ・デュレス
・サン・ロマン

・ムルソー
・シャサーニュ・モンラッシェ
・ピュリニー・モンラッシェ
・サン・トーバン

・サントネー
・マルサネ

北から順に書いてありまして、所々空いてるスペースは1つの区切りになるところで入れてます。

特に重要なのは下から2番目「ムルソー」で始まる塊ですね。

ここら辺がまさに「シャルドネ」の聖地と呼ばれる場所で、2つの「モンラッシェ」が付く村には「グラン・クリュ畑」があります。

ここで造られるシャルドネは大抵の場合「樽を使って熟成」するので、フルボディで濃厚かつ繊細な味わいの最高級品が生まれています。

最高峰の畑は「モンラッシェ」で世界一高い白ワインはDRCが作る「モンラッシェ」です。100万円近いですよ。

次に重要なのは一番上「ラドワ」で始まる塊ですね。ここは「コルトンの丘」と呼ばれるでっかい丘の周囲にある村で「グラン・クリュ」があります。

特に白のグラン・クリュ「コルトン・シャルルマーニュ」が有名です。面倒くさいのは赤のグラン・クリュもあって、そっちは「コルトン」と言います。

そして、さらに面倒くさいのですが、「グラン・クリュ」にしては評価が低いです。。。初心者の頃は飲んでみたいから飲む!ぐらいで深追いしない方が賢明な気がしています。

次いで「ポマール」「ヴォルネイ」は赤の産地です!ここだけ際立って赤なんですよね。ニュイの赤に比べると力強さが売りです!

力強い味わいが人気だった15年ぐらい前までは人気あったのですが、最近、正直言って人気に陰りがありますね。

他の3つの塊(モンテリー塊、ボーヌ塊、サントネー塊)はちょっと格下感あります。)マイナー村名なんて言い方されちゃう地域ですね。

マイナーなので値段も高くなくてお買い得の宝庫ではあります。これから学ぶ方にはオススメの産地なのは間違いありません!!

まとめ

さて、初級編なのでこの辺にしておきましょう。

もっと詳しい解説は中級編以降です。今回ここで学ぶべき事はざっくり

・コート・ド・ニュイはピノ
・コート・ド・ボーヌはシャルドネ

・コート・ド・ボーヌのが色々細かくて覚えづらい

と言う所ですね。

きっと主役であるニュイにメジャーなピノ・ノワールが飲みたくなると思います!しかーし!めっちゃ高いので覚悟してください。

しかも「おっ!安い!」(と言っても村名4000円ぐらい)ってのを見つけても、高確率で美味しくないです。学ぶ前に嫌いになります。

美味しい村名以上なら最低5,000円覚悟。8,000円は当たり前、有名な生産者なら1万円越えが当たり前です。

高級レストランでグラスワインであった場合、1杯最低でも2,000円はしますから覚悟してください!その覚悟がある方は、ぜひこの楽園へ進んでくださいませ!