スペインワインを初心者にもわかりやすく解説

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ここではスペインワインの概要を初心者でもわかりやすいように解説します。ざっくりとスペイン全体の気候や品種などにスポットライトを当ててその特徴を見ていきます。

・スペイン全体の概要
・主要な品種
・6地域に分けて、さらっと解説
・まず飲んでみるべき生産者

の順で解説をしていきますよ。

生産地域などは、やたら詳しくは触れません。それはまた別の中級編以降で予定してますので、お待ちくださいませ。

シェリー酒も別解説になっています。気になる方はこちらをどうぞ。

スペイン全体の概要

スペインワインを初心者にもわかりやすく解説
出典: Fernando Beteta

スペインはご存じ、ヨーロッパのかなり南に位置する国でその緯度は北緯36-44度の中にある、結構南北も長い国です。ポルトガルが西側にくっついてますが、ほぼ真四角な形をした半島でもありますね。

この形なので、気候帯も場所によって「海洋性気候」(Maritime Climate)「大陸性気候」(Continental Climate)「地中海性気候」(Mediterranean Climate)の3つの気候帯に分かれます。

地中海は海でも大きな雨を呼ぶことがない、まさに地中海性気候ですが、西側は大西洋から運ばれてくる湿気と雨が多い地域で、大西洋沿いの方では日本みたいな棚栽培のブドウ畑が築かれる程です。後程解説します。

全体的な傾向としては、確実に温暖(Warm)な地域が中心で、海にほど近いと温和(Moderate)、そして海の影響が何にもない大陸の中のほうまで行くと高温(Hot)な温度帯の区分になるので、冷涼地はありません。

全体的に大西洋沿いの雨が多い地域以外では、暑さと水不足が問題になりやすい。ヨーロッパは基本的に灌漑が出来ない中、スペインは少しだけ認めれてますが、それでも認めれれていないところも多く、暑さと水との戦いがスペインでは大きな問題です。

その代わり、暑くてドライなのでカビ系の病気の脅威は極端に少なく、ビオ農法を実勢ンしやすいのもあり、最近確実に増えてきています。カビない地域はホント楽勝なんです。

暑さの問題は日差しの問題でもあります。日差しが強くて、ブドウが焼けちゃったりすると困る場所の仕立てと言えば「ゴブレ」です。スペインはゴブレ仕立ての樹が多く、先にも行った水不足もあるので、1本の樹がいっぱい水探せるように、樹と樹の間隔も広くとるところが沢山あります。

全体のポイントをおさらいすると

・気候帯は全部ある!
・大西洋沿い以外は乾燥してる
・基本は暑い
・水不足と暑さで低密植ゴブレが多い

なんて感じでしょうか。

主要な品種

スペインワインを初心者にもわかりやすく解説

赤ワイン品種

テンプラニーリョ(Tempranillo)

スペインの赤と言えばこれですね!日本人にも何となくわかりやすい響きで「てんぷら」です。シノニムと言う地域ごとに別の名前を名乗る事が多いのが面倒くさいですが、ここでは無視します。

スペインのブドウでめっちゃ濃そうですが、テンプラは濃いのも作れますが、軽めのワインも醸造法などで作り出すことが出来ます!意外と赤い果実系のテンプラもあるもんです。(スペイン普段から飲む方には意外じゃない?)

結構果皮が厚い品種なのでちゃんと熟せる条件が揃っていないと完熟しません!

ガルナッチャ・ティンタ(Garnach Tinta)

フランスで言うところのグルナッシュです。グルナッシュの特徴と当然一緒で、酸が低くて糖度が上がりやすく、高アルコールのワインを作りやすい傾向にあります。

単一品種で仕上げるのはバランスをとるのが難しいので(酸が足らん)、たいていは何かと混ぜて使います!

モナストレル(Monastrell)

こちらはフランスで言うところのムールヴェードルです。フランスでも大して馴染みがないですか?ルーションとかプロヴァンス当たりの南部でまぁまぁ見られます。

果皮がかなり厚く、成熟に時間がかかるので天候が安定していて、暑い地域でないと熟しません!熟すと凄い濃厚な色合いと、黒い果実の味わいを出す品種で「がっつり」したワインを探したい人はこれを探せ!ってぐらい濃厚な物が多いですね。

カリニェナ(Carinena)

フランスで言うところのカリニャンですね。発祥の地がスペインにあって、その地域の名前がカリニェナです。

大量収穫が出来る葡萄で、かつてはラングドックなどでもそうですが、大量生産の安ワイン用に生産されまくっていました(いまもか?)
最近は収量を落とすと、いい物が出来ることにみんなが気付き始めたところですね。

面倒くさいのは「カリニェナ地域」の主要品種は「ガルナッチャ」な事ですかね・・・使えよ地場品種!!

あと、リオハでは呼び名が「マスエロ」に変わるのも面倒くさいですね。

その他

他にも「グラシアーノ」「メンシア」とかありますが、とりあえずあるって事だけ書いておきます。

白ワイン

白ワインが基本的には生産盛んではありません。気温が高いので酸化の問題で果実感が生きないとか、あまり向いてない条件もあるので。それでも、いくつか独特の品種があります。

アルバニーリョ(Albarino)

いま大注目の品種の1つですね。これだけ明らかに気候帯が違う、大西洋沿いの地域で生産されています。

基本的に軽めのキレがあるスタイルの白ワインを作れる品種で、当然のことながら酸が高く、柑橘類やアプリコットみたいな風味を出します。濃厚ボディも作れるらしいですが、出会った事がありません。あったら教えてほしいぐらいです。

湿気の多い大西洋沿いで作られる理由は果皮が厚く、菌類の被害を受けにくいのが大きな理由です。湿気が多い日本でも、いま注目され始めています。

ちなにみ「アルバニーリョ」、オーストリアの「グリューナー・フェルトリーナ」、ギリシャの「アシルティコ」がいま世界で注目されている三大すっきり白ワインです。

ベルデホ(Verdejo)

かなり酸化しやすいらしく、シェリーみたいな風味が出る。かつては生産が盛んだったのですが、最近はそのシェリー風味人気ないのでやや人気も落ちている。

醸造技術の進化で、酸化を防げるようにもなってきてるので、再び注目を浴びるかもしれませんが、わざわざ作るかは不明ですが、世界的に求められている、ライトボディで酸度が高いワインの生産が酸化を防げば可能なので伸びるかも?

ソーヴィニヨン・ブランにちょっと似てる。

アイレン(Airen)

スペインの白を語るなら忘れちゃいけないのがこれ!ソムリエ試験の勉強中に受験生を悩ませる原因がこれですしね。

なんで悩ませるかって、スペインの大陸中央部にある「ラ・マンチャ」辺りでしかほぼ生産されていないのにも関わらず、2000年前半頃では世界の白ワイン生産量NO.1品種に輝いちゃうほどの大量栽培がされているからですね。現在でも3位ぐらいに位置しており、受験生たちは「なんだこれ?」ってなる品種です。

とは言えあまりスティルワインにはならず、基本的にはブランデーとか蒸留酒になる事が多いそうです。飲んだ事ないもんな。

チャレッロ マカベロ パレリャーダ

3つ同時に紹介するのは3つとも基本的にはスパークリングワイン「CAVA」原料だからですね。

中でもマカベオはリオハで「ビウラ」呼ばれて、白ワインになる事もありますが、基本はスパークリング用と思って大丈夫です。

個々の特徴はなんかイマイチしっくりくる説明を見た事がありません。結構見るものによって役割が書いてある事が違ったりするので、解説しません!単独で飲む事もないから語れないんですよね。

6つの地域に分けて概要を解説

スペインワインを初心者にもわかりやすく解説

スペインのワイン産地を大きく分けて6つに分類すると

・大西洋の影響が大きい「北西部
・内陸で川の影響が大きい「エブロ川沿い」「ドゥエロ川沿い
・地中海沿い「カタルーニャ」「レバンテ地区
・思いっきり内陸「カスティーリャ・ラ・マンチャ

の6つになります。

北西部

ここは大西洋沿いのスペイン北西部に位置します。圧倒的に有名なのが「リアス・バイシャス」ですね。小学校の時に地理で習った「リアス式海岸」のモデルとなっている場所です!!

ここで栽培される品種は圧倒的にアルバニーリョです。いま世界中で引っ張りだこと言っていい程の人気ワインで、軽やかなボディにキレのある酸味。そしてお値段も安め!と世界が求める要素がギュッと詰まっています。

非常に湿気が多く雨も多いので、ヨーロッパのブドウ畑にはめずらしいパーゴラ(Pergolas)と呼ばれる棚栽培が多く取り入れられています。

スペインワインを初心者にもわかりやすく解説

日本のブドウ畑でよく見るあれですね!

棚栽培のいい所は、地面から離れて、地面からの湿気が遠のくのと、下に風が通り風通しがよくなる。そしてブドウは屋根の下なので直射日光も防げる。

と言う事です。棚栽培なので1本の樹から大量にブドウを収穫しなくてはいけないので、地面の水が豊富でないと成り立たないので、こういった雨が多くて湿気の多い地域向きです。

エブロ川沿い

ここはスペインワインの2台中心地の1つで、2つしかないDOCaの1つ「リオハ」がある場所です。細かい説明はいずれ中級編などで行うのでここでは概要編だけ解説します。

全体として、西側と東側でやや気候が違い、西側には大西洋の影響がギリギリ届いています。なのでやや湿気もあるのと、気温がそこまで上昇しない特徴があるそうです。

東側にはもう大西洋の影響は届かず、大陸的な気候になり夏が暑くて冬が寒い感じですね。そして乾燥と水不足も問題になってきます。

作られる品種はテンプラニーリョがメインで、白は8品種も認められているが、メインになるのは「ビウラ」(マカベオ)。

テンプラニーリョは単一ではなくブレンドされる事も多く、スタイル的にも軽めの赤果実系から、長期熟成を目指すしっかりした物までものすごく広い幅を持ったスタイルで作ります。

白ワインはかつては酸化熟成系の味わいが主体だったそうですが、全然売れないので最近はスタイルを変えつつあるところです。

リオハから少し南にあるカリニェナ辺りも同じ区分にカウントされる風習なので、そちらも一応チェックすると、こっちは完全に大陸性気候です。

エブロ川沿いともドゥエロ川沿いともとれる微妙な位置にありますね。

カリニェナの名前はブドウ品種の「カリニェナ」(カリニャン)にもなっているぐらいで、カリニェナ主体なのかと思いきや「ガルナッチャ」が主体の生産地です。

地元の意地で頑張ってほしいもんです。

ドゥエロ川沿い

スペインの北部の方を東西に流れる川ですね。ここには2か所ブドウ産地があります。

一つはやや東側の「リベラ・デル・ドゥレロ」(Ribere del Duero)。ワイン以外で聞いた記憶がある地名ですが、なんだかは忘れました。スペインっぽい名前ですよね

山に囲まれてるので、海の影響が0と言っていい地域。めっちゃ暑くなりそうですが、ここは標高が高い所に畑を築いているので、暑さが行き過ぎることはないみたいです。特に夜間はかなり気温が落ちるので、酸度が低下するの避けられます。

テンプラニーリョが主要品種で、ほぼ赤ワインの生産ですがロゼも少し作ります。

もう一つはやや西で「トロ」「ルエダ」があります。

トロはリベラ・デル・ドゥエロに似た気候で、作る物も似通っていますが、ルエダは一転して白ワインの産地になります。

大陸性気候でやはり夜の気温が下がるので白品種も育てることが可能で、ベルデホの伝統的な産地。ソーヴィニヨン・ブランの生産も盛んな地域です。

カタルーニャ

カタルーニャを語るにゃ・・・えーと、語るにはまず位置関係から。スペインの北東部ですね。フランスの国境にも近い所で、ルーションの延長線上ですかね。

なんせ「バルセロナ」があるこの地方ですからね。独立運動して、そのうち独立しちゃうかもしれません。(出来ないだろうけど)

もっとも主要なのは「CAVA」と言っていいのかもしれませんが、CAVAは別にカタルーニャで作らなくてもいいので、カタルーニャの解説では語りません。スパークリングワインの解説を別にしているので、そちらをご覧ください。

この地域のNo.1はなんといっても2つしかないDOCaの1つ「プリオラート」がある事でしょう。

プリオラートは地中海性気候の特徴をそのままに夏は暑くてめっちゃ乾燥してます。主要品種のガルナッチャ、カリニェナともにブッシュ・ヴァイン(ゴルレ)仕立てが主流で、結構な古木も沢山ある地域です。しかも急こう配な畑が多く、機械化は出来ない。

この機械化が出来ないのと、古木で収量が多いのとを加味しても、安価なワイン生産は非常に少ないです。

土壌では地元でリコレーリャ(licorella)と呼ばれる赤土の粘板岩が結構水を蓄えてくれるのと、熱を反射する効果で成熟を助ける。と言う2つの役割を果たすのがポイントです。

もう1つ有名なのはペネデスと言う場所です。ここは平野部から標高800mぐらいまで畑が広がるので、ひとくくりで語りづらい地域です。

CAVA用の生産が多いですが、標高の高い所では白ワインもちゃんと作れているのと、一部ではピノ・ノワールも生産しているそうです。見た事ないけど。

レバンテ地区

最初の地図にないんですけどね。ラ・マンチャの真東の地中海の海岸沿いです。

バレンシアと言う地域があります!と言ったら真っ先に思い浮かぶんが「オレンジ」ですよね。そのバレンシアです!!

結構南なので、温暖です!地中海性気候その物な産地なので、夏は乾燥していますし暑いです。

結果として育つブドウはモナストレル(ムールヴェードル)が主流になります。ムールヴェードルは安定した気候と温暖な気候が両立しないと熟さないのですが、まさに理想郷です!理想郷で栽培すれば収量も少なくないので、安価に濃いめのワインを作る事も可能です。

白は酒精強化の甘口を多少作ってるみたいです。

その他フミーリャイエクラなどが有名な地ですが、ほぼバレンシアと同じでモナストレルが主流です。

カスティーリャ・ラ・マンチャ

かなり内陸の地域ですね。ラ・マンチャがある場所です。

ここは圧倒的にアイレンの栽培が多い地域でしたが、アイレン人気ないので政府主導で他の品種に転換したい!と植え替えが盛んな地域でもあります。

テンプラニーリョをはじめ、カベルネ、メルロー、シラーなど国際品種も植えまくりです。なんせ元々ここだけでアイレンを「世界最大の白ワイン品種」に押し上げたぐらいですからね、ブドウ畑だらけです。

スペインの単一エステートに与えられる高級認証「ビノス・デ・パゴ」(Vinos de Pago)の発祥の地でもあり、そう言った高級品への転換も急速に進んでいます。

まだこの地域以外ではあまり浸透していないので、今後のスペインワインの命運を握る地域でもありますね。

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