アルザスワインを初心者にもわかりやすいように解説

このページではフランスワイン概要では流石に突っ込みきれないので、補足とさらに突っ込んだアルザスの概要を解説しています。

アルザスはグラン・クリュがやたら多かったり、土壌も異様に複雑です。世界でも他に類を見ないと言われるほどですが、ここをしっかり解説すると、終わらないし、難しくなりすぎるので、ざっくりと解説しつつ、主要な品種なども解説していきます。

・アルザスワインの概要
・アルザスワインの気候と土壌
・アルザスワインの品種
・まとめ

の流れで解説していきますよ。

読み終えたらちょっとアルザスに詳しくなれますよ。

アルザスワインの概要

アルザスはフランスでも最も北にある産地で、北緯48℃からちょい上ぐらいまでに広がる産地です。もうほぼ、ワインベルトの北限ですね。

その地理的な要因から、歴史的にフランスとドイツで戦争するたびに属する国が入れ替わったりするので、文化もめちゃくちゃ入り乱れて、現地人はフランス語、ドイツ語、アルザス語(まれ喋れる人がいる)が入り乱れています。

端から見る分にはフランス文化よりもドイツ文化の影響の方がややでかいイメージですよね。土地の名前から、使ってるブドウ品種までほぼドイツ語由来の物が締めています。

正直フランスワインを勉強している初期の頃は圧倒的に難関に感じるのは、ここだけ音が違うんですよね。せっかくフランス語になれてきた所でドイツ語登場するので、まったく耳慣れずに覚えられません。みんな一緒なので最初はそんなもんだ!って安心して次に行きましょう。

ワイン全体の概要で行くと、生産量の多くは白ワインです。赤ワインの生産も少ないですがありますし、スパークリングワインも多少作ってますね。

生産量は少なくても赤も泡もちゃん知名度も存在感も示しているのエライところです。

ブドウ畑に関しては、ブルゴーニュ風に言うなら村名畑とグラン・クリュだけあるような感じです。

そのグランクリュが現在51個もあるので正直全然覚えられません!しかも名前も似てて全然違う場所にあったり、辛いです。

例えば

・アルテンベルグ・ベグルビーテン
・アルテンベルグ・ベルグハイム
・アルテンベルグ・ウォルシュハイム

と、アルテンベルグは3つありますが、後ろが村の名前なので、全部違う位置にあります。

こう言うの覚えるの超難しいですよね。ちょっと諦めモードになりいます。それで最初どころかアルザス博士目指さない限りはいいと思います。

その他、そう遠くはない将来に「プルミエ・クリュ」が創設されると言われています。

と言われて長くなるのがフランスなので果たしてどうなることやら。

生産者においては作るワインの種類が多すぎるという問題をかかえています。多品種を作るので、早熟品種もあれば、晩熟品すもあるので、畑仕事が早く始まるし、遅く終わります。

生育期間中には順番に作業できる所はちょっといいとこですが、収穫も品種別に時期が変わるので、人手を確保する大変さと、早熟品種を醸造しながら晩熟品種は収穫する事になります。

ここに更に遅摘みのヴァンダンジュ・タルディブやセレクション・グランノーブルも加わるのでてんてこ舞いですね。

アルザスの気候や土壌

気候

アルザスは北限なぐらいですからね、基本的には冷涼な産地と言うことに間違いはありません。

南北に長い産地なのは西側に壁のようにそびえ立つヴォージュ山脈の麓に築かれているからですね。この南北に伸びるヴォージュ山脈が西側から来るお天気の影響をほぼ食い止めちゃいます!

食い止めちゃうことがいい事なのか悪いことなのか近年は若干悩ましいですが、食い止めちゃうので雨があまり降りません。特に夏〜秋はかなりドライなシーズンになるので、今まではブドウの産地としてとてもいい条件でした。

近年問題なのは雨が降らなすぎることです。フランスは灌漑が禁止なので雨が降らなすぎると普通にブドウが成長しません。終了の大幅な減少などに悩まされつつあるのここ数年深刻化しつつあります。

灌漑できれば川があるので、困ることはまずないはずなんですけどね。EUがどう言う方向性を出すのか、そろそろ決断が必要になりつつありあす。

雲がヴォージュ山脈で防がれると、雲が出ないので、めちゃくちゃ晴れの日が多いのも特徴です。しかも北緯48℃tかなりの北側なので夏の日照時間がめちゃくちゃに長いです!

朝日が登るのも早いし、日が沈むのも遅い。(普通に22時ぐらいまで明るい)

この長い日照時間の影響もあり、冷涼なはずの産地ですが、結構ブドウが熟すし、糖度もあがります!

アルザスを冷涼地と思っていると、ピノ・ノワールなんて明らかにブルゴーニュよりもエレガントではない!のでビックリします。これには他にも理由はあるのですが、品種の解説で説明します。

日差しを受けるために南東向きの畑が多いのは冷涼地っぽいですが、北斜面も有るには有ります。日当たりが特に多い地域では南向きだと日照が多くなりすぎると言う、逆の問題もあ起こることすら有ります。

土壌

アルザスの特徴として、めちゃくちゃ複雑な地形と土壌形態をしている事があげられます。

マール土壌、石灰質、花崗岩土壌、シスト土壌などなど土壌の宝庫です。しかも結構モザイク上に広がるので一貫性もありません!

土壌に応じて同じ品種でも味わいには違った特徴が出るので学ぶ上では混乱することこの上ありません。

石の有る無しでも畑の温度は変わりますので、本当に理解するのは難しいですね。

全部解説は出来ないので、代表的なところの傾向を解説します。

・花崗岩

コルマール周辺とか割と中心地に多い土壌ですかね。岩ですからミネラル感有るキレがある味わいになる事が多い傾向に有ります。

・マール土壌

泥灰土と言われる土壌です。結構土っぽい土壌なので、保水力が高かったり、養分多めだったりで、どっしりした果実感有るワインが生まれやすいです。

・石灰質(代表的なのはムシェルカルク)

石灰は水捌けいいのに保水力もある便利土壌です。意外とどっしりしてますが、果実感とかは控えめ、ミネラル感有る味わいになります。(塩っぽい)

ブドウ品種

たくさ品種が有りますが「高貴品種」と呼ばれる品種が4つあるざーます。おホホホ。

リースリング

アルザスでも最も高貴で間違いないでしょう。当然ながら高貴品種です。

ミディアム〜フルボディに仕上がって、アルザスのものは意外と切れ一辺倒ではないです。桃っぽかったり白い果肉の熟したフルーツ感があったりします。

よく聞く石油香は熟成香なので3年未満のワインから香るようならリースリング由来よりも培養酵母を疑いましょう。ブドウ由来なら必ずしもするものでは有りません!

残糖分もほぼ無い物からある程度高め(7g/Lぐらいかな)な物もあります。最近のグランクリュは高めの傾向も有ります。

ゲヴェルツトラミネール

No.2の人気はここでしょうね。

やっぱりボリューム感有るものが多く、香りもこの品種らしいライチの香り、スパイシーな雰囲気がよく出ています。

リースリングに比べても甘めに作るものが多いですね。あとどんなに辛口に作っても甘さを感じさせるのは酸が低くて果実感が強いからですね。

ピノ・グリ

高貴品種の3番手はこちらでしょう。ピノ・ノワールの突然変異で生まれたと言われる亜種ですが、いまや世界中で定着しています。

基本的に糖度が上がりやすいので、高アルコールになりやすく、ボリューム感有るワインが結構見受けられます。

甘口よりに作っているのも多いですが、ゲヴェルツよりはずっと酸を感じますね。白い果肉系なのはリースリングとちょっと似てますが、より濃厚な味わいをしています。

リースリングに比べて人気が出ないのは香り面では負けてしまうからかな?と思います。味わいはアルザスに限って言えば割と似てます。

世界的には安ワイン品種で有る点も人気がない理由かもしれません。

ミュスカ

高貴品種の4番手はこの品種です。正直なぜにノミネートされてるのか違和感しか有りません。

南に多い印象が有る品種ですが、この辺でも作ってますし高貴品種です。他の高貴品種は愚か、シルヴァネール、ピノ・ブランよりも見かけない気がしますがね。

品種の特性としてはアロマティック品種らしく、香りがとっても強く出る品種で、それこそブドウらしい香りとはこの品種のことです。他にもオレンジ風味だったり、バラっぽい香りがしたりしますね。

超辛口に仕上がる事はほぼなく、だいたいちょっと甘いです。めっちゃ飲みやすいですけどね。

その他の白品種

ピノ・ブラン

割とよく見かける高貴品種ではない品種ですね。ピノ・グリと同じくピノ・ノワールの亜種です。クレマン・ダルザスの原料になってる事も多いですね。

不思議なルールがあって、オーセロワ種もピノ・ブランにカウントされていて、ラベルに「ピノ・ブラン」って書いてあるワインはたいていオーセロワの方が多めに使ってたりもします。

オーセロワの方がボディがあって、スパイス香があるらしいですが、正直ピノ・ブラン単一もオーセロワ単一も見かけないので本当の事がよくわかりません!

スパークリングに使うぐらいなので酸は高めです!アルザスで一番スッキリしてる事がおおい品種な気もしますね。ボディあるな!ってのは飲んだ事がないです。

シルヴァネール

こちらもよく見かけますが、明らか格下扱いされてる品種だと思います。ブルゴーニュのアリゴテ的な位置づけと言ったらアリゴテファンに怒られそうですが、そんな感じです。

しっかりと日照のいい畑で栽培すれば厚みもでるし、香りも高めになるのですが、ペラペラのワインに出会うことが多いので、誰もチャレンジしたがらないから売れてないのも有ると思います。

稀に旨いですからチャレンジしてやって下さい!!

ピノ・ノワール

アルザス唯一の赤ワイン品種です。ブルゴーニュよりも北で涼しいはず。だからもっと冷涼感有る清々しい、なんなら酸っぱいぐらいのキレを感じさせるかと思いきや、そうではありません。

結構、黒い果実系の味わいと色あいをしている事が多いので、どちらかと言うとどっしりしたピノの場合が多いです!ブラインドで南仏?って思うレベルですね。

2つ訳があって、1つは日照量が多いので、タンニンが発達して色素も出てるパターン。

もう1つはアルザスの抱える問題ですが、白ワインの品種が多いし、収穫期も多岐に渡るので、早熟なピノは割と先に醸造に入ります。

で、赤ワインなので圧搾が後になるわけですが、ここで問題発生。赤ワイン絞った後の圧搾機はしっかり洗浄しないと次の白ワインに色ついちゃうので困るわけです。

が、次々に白の品種が収穫されてきて、挙げ句ヴァンダンジュ・タルディブとかも収穫されてくると、白を圧搾したいから赤を圧搾してる暇がなくなります。

大抵の小さなワイナリーは圧搾機1台しかないので、仕方無しにピノを絞るのを後回しにして、その間に漬け込み時間が長くなったピノに濃い色合いと荒いタンニンが抽出されちゃって濃くなっちゃてるパターンが、実はかなり散見しています。

結果、中途半端な出来になってしまうので、やめときゃいいのに。ってワイナリーが結構あります。

まとめ

アルザスは冷涼ワインブーム到来で今後も伸びていく産地の1つでしょう。

プルミエ・クリュも出来るらしいですし、ますますもりあがって手に入りづらい人気生産者なんかが増えていきそうな気がします。

今のうちにお気に入りの生産者を見つけてストックしてもいいかもですが、熟成はするけど、さっぱり系ブームに熟成が必要かは疑問もあるので、難しいですね。

でもこれだけは言っておきます!僕の夏の定番はアルザスです。