【中級編】 白ワインの作り方

初級編書く前に、中級編シリーズ。赤ワインに続き白ワイン編です。

・徐梗、破砕、圧搾
・醸造
・醸造後の熟成

の順で、理屈を踏まえながら、白ワインの作り方を解説していきます。

白の場合は

・酸化に対して、どうやって対抗するのか?
・アロマ系品種か?ノンアロマ系品種か?

が大きなテーマとしてあるので、それも踏まえてご覧くださいませ!

徐梗、破砕、圧搾 etc

白ワインの場合、まず最初に圧搾して果汁だけを醸造に回す必要があるので、収穫後はすぐに圧搾する場合がほとんどです。

こんな感じで、ドバーっと圧搾機に入れて、ギューッと絞るのがありがちな方法です。

白ワインの場合は、赤ワインに比べてもはるかに酸化に対して敏感に対応します。と言うのも酸化をする事によって飛ぶのは主にフレッシュなアロマだからです。

赤ワインに比べて飲み物としても、白ワインはフレッシュな果実感が求められる存在です。ですから、基本的には酸化しないように、なるべく早く圧搾して、なるべく酸素に触れさせずに醸造までたどり着きたいわけです。茎も付いたままいっきにプレスまでしてしまう場合が結構多いです。

香りがより強いアロマ系品種の場合はそのアロマがブドウの皮に付いていたりもするので、その場合は先に除梗して、破砕。そして数時間ぐらい漬け込む場合が有ります!アロマを抽出する時間を取るわけです。酸化しないように低温にしておいたり、ここでも最新の注意を払います。ソーヴィニヨン・ブランやリースリングなどですね。

ちなみにオレンジワインはこの時の漬け込み時間が思いっきり長かったりしますが、それは白ワインではなくてオレンジワインなので、とりあえずここでは無視しましょう。

そして、醸造に回す前に、濾過などを施す場合がほとんどです。搾りたての果汁は、果肉の破片など、かなりの量の固形物が含まれます。

この固形物も一緒に発酵に回した場合、多くのパターンでは白ワインに対して、オフフレーバーになりやすいのです。ですから、固形物があるのはリスキーこの上ないので、ピュアな果実感をストレートに出したい場合は特に、邪魔者以外の何物でもない固形物を、濾過や固形物が沈殿するのを待って上澄みを使う方法(デブルバージュ)などで、澄んだ果汁だけを醸造に回します。

元々香りが少ない品種や、高級ワイン場合にはあえてフレーバー付けや、複雑さを出すために、少し緩めの濾過にして固形物を残す場合もあります。

この辺のバランスをどうするかが、生産者の目指すスタイルで変わってきます。

醸造工程

・醸造の温度
・醸造の容器
・醸造中にやれること

濾過などを施して、綺麗になったワインはその後、醸造工程に入ります。酵母君が頑張って、糖分をアルコールと二酸化炭素に変えてくれる、ワイン造りではメインの工程ですね。

醸造する温度

白ワインはフレッシュなアロマが飛ばないように、赤に比べると低温で12~22℃ぐらいの温度帯で、発酵させるのが一般的です。

高い温度帯ですと複雑さは出る反面、果実風味のないアロマが発達しやすい点。低い温度帯ではキャンディーみたいなアロマがでて、本来出したいアロマを覆ってしまうかも知れない点。この2つを加味しながら欲しいスタイルに応じた、適切な温度管理が求められます。

発酵に使う容器

白ワインの場合は、発酵で酸素を嫌う事が多い、温度管理がしたい。を説明したと思います。そうすると必然的に発酵に使う容器で一番使い勝手がいいのはステンレスタンクです。大抵は温度管理機能が付いているので、非常に楽です。

日本のワイナリーで、その辺から沸いてくる地下水をずーっとステンレスタンクに流し続けているのを見た事も有りますね。地下水の温度は一定に保たれているので、熱伝導率のいいステンレスタンクだと温度管理が簡単です!

複雑は風味を出していきたいようなワインの場合、樽で発酵させると言う選択肢も現実的にはあります!基本的にアロマティックな品種ではあまり採用されませんが、シャルドネ等、複雑さを出したい場合は樽で発酵させます。

・発酵中に出来る事

樽は水の出入りはしませんが、わずかながら空気の出入りがあります。これがワインと酸素との接触になり、緩やかな酸化などの影響で、醸造由来で発生するアロマが発達して、複雑さを生み出します。

また、この際には発酵後に酵母の残骸である澱が溜まってきます。この樽の底に溜まった澱をあえて撹拌して、その旨味成分などがワインに対してなるべく付くように施す場合があります!

これが良く聞く、バトナージュですね。バトナージュをする場合は樽の穴から掻き混ぜ棒を入れるので、酸素の供給もしてしまいます。やり過ぎると、酸化してしまう事を、1990年代後半のブルゴーニュワインが既に証明してくれているので、バトナージュは旨味とボリュームをワインに与えますが、その頻度などは生産者の技量によるところがあります。

ちなみにやり過ぎておこった酸化を「プレマチュア・オキシデーション」(熟成前酸化)と言って、90年代後半のブルゴーニュ白で頻発し、せっかくの高級ワインを台無しにした例がいくつも有りますので、90年代後半のブルゴーニュ白はちゃんと知らないとワナにはまります。

いずれにしても、ワインのアルコール発酵自体は2~3週間ぐらいで終わるのが一般的です。その後はMLF(マロラクティック発酵)をするのか?しないのか?と言う作業があります。

醸造後の熟成

・MLFするかしないか
・樽で熟成orオークチップ
・その他

アルコール発酵後の白ワインは主に2つの選択肢があります。その2つがマロラクティック発酵(MLF)と樽熟成です。1つづ、する理由を解説していきます。

MLFするか?しないか?

マロラクティック発酵はリンゴ酸を乳酸菌発酵で乳酸に作り替える発酵です。一般的にリンゴ酸の方が同じ量でも2倍ぐらい酸っぱいので、乳酸に変わる事で、酸がまろやかになりますし、バターの様な豊潤なボリュームも産まれます。

MLFは基本的にはほっとくと発生するので、酸を生かしたいワインや、アロマティックな特性を生かしたいワインの場合、起こってほしくない現象です。

その場合は低温で貯蔵をする。亜硫酸を添加する。濾過器で乳酸菌を取る。なのの方法で止める事が可能です。

目指すスタイルによって生産者が選択するわけですが、大別するとすれば、ソーヴィニヨン・ブランやリースリングみたいなアロマ系品種はしない。シャルドネの様なニュートラルな品種はする!と思っておけば、基本的には当てはまります。

樽熟成する?オークチップ?

白ワインで最も大きな要素になるのは、樽の使用有無です。

まず、樽の効果としては、のんびりとした酸化が行われるので、熟成由来の第3アロマが発達する。つまり複雑さをワインに与える事が出来ます。酸に関しても作りたてよりも落ち着いてきますので、熟成する事で、落ち着く要素もあります。

高級なワインの場合、もともと葡萄が持っているアロマの要素が沢山有ります。この要素が酸素に触れる事によって発達するので、熟成をさせます。

代表的な変化としてはメイラード反応なんかが有ります。糖分が酸素と結合して、黒く香ばしくなる反応で、早い話が「焦げ」ですね。焦げてると香ばしくて旨味が乗りますよね?あれと同じ事がワインにも起きています。ただ、火で焼くわけではないので、もの凄くゆっくりメイラード反応が起きるのですが、原理としては焦がしてるのとほぼ一緒です。

もう1つ樽の大きな役割としては、樽その物の香りがあります。いわゆるバニラやトーストみたいな香りですね。ワインに香りを付けますし、ボリュームも付けてくれます。

しかし、樽って結構お値段が高いので、テーブルワインに使用するのは現実的ではありません!そこで登場するのがオークチップです。

この場合はステレンスなどの密封型容器に、樽と同じ材質のオークのチップをタンクに入れてしまうわけですね。そうすると樽由来の香りがワインに付くわけです。

それでもオークチップのワインが、なんだか樽のフレーバーが浮いてしまってたりするのは、テーブルワインで大量収穫ブドウから造る、いわゆるブドウその物の要素が不足してるだけでなく、不活性な容器に入れて、酸化を促していないにも関わらず、樽の香りだけが付いていたりするので、味わいのバランスがちぐはぐになってしまう。と言う理由も上げれます。

ちゃんと樽で熟成したワインには酸化により、果実感がやたらフレッシュではなくなるので、樽の味わいとの調和が取れやすくもなります。

その他の選択肢

その他には生産者の求めるスタイルによって、選択出来る事はいくつかありますが、あまり一般的ではなかったり、自然派の極端な作り方だったりもするので大きくは割愛します。

唯一よく見る選択肢として「シュール・リー」は有名ですね。「澱の上」と言う意味で、これはタンクの中で澱引きをせずにそのまましばらく置いておく方法です。

バトナージュして澱を撹拌するわけではなく、長い時間澱の上に置いておくことで、ゆーっくりと旨みをワインに移す方法です。とてもニュートラルな品種のミュスカデと日本の甲州でしょっちゅう使われる方法ですね。

たまに他の品種でも生産者によっては、出ちゃうオフフレーバーよりもノル旨味を選択する人はいます。ここら辺も目指すスタイルで選択します。

最後のまとめ

さて、だいたいワインが出来上がったので後は瓶詰ですね。

白ワインの場合は透き通った液体が欲しい事が多いので、多くの場合は濾過や清澄で、なるべく透明度を高めてから瓶詰します。赤ワインの場合は多少濁っててもぶっちゃけばれませんので、旨味を残したいから濾過が弱めとかはよくあります。

濾過はやり過ぎると、その後に熟成する要素も取ってしまうので、熟成させたい場合は白でも緩めにしたり、しない場合も稀には有ります。

高級ワインだけを見ていると、濾過しないパターンも結構ありますが、他の解説もそうですが、ここではもっと全体の事を一般論に近い事を書いておりますので、まずは全体的な話として捉えて下さい。

上級編で細かい解説はいずれしていく予定です。

最後にブルゴーニュワイン委員会の白ワイン造るCGが一連の流れをいい感じにまとめているので、ご覧ください。

解説を読んだ後だと、「なるほど、なるほど」となると思いますよ。