ブルゴーニュワインを初心者にもわかりやすく解説【超初級編】

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ブルゴーニュはもっともマニアックな地域です!おそらく中級編、上級編、超上級編、マスター編まで書けるぐらいのボリュームがありますが、ここは超初級編!

大まかな産地構成と、品種の解説に努めて、その特徴を解説していきます。構成は目次の通りです!

まずは大まかに、ブルゴーニュを知りましょう!

ざっくりな概要

ブルゴーニュはフランスのやや東側の南北で言うと真ん中ら辺にある、全体的に標高が高い高原のような場所にある地域です。緯度で言うと、北緯46-48℃辺りにあるので、割と縦長ですね。

世界【最高級】産地

なんと言っても現在「世界で最も高価なワインを造る産地」と言う称号が間違いなく似合う産地です。

初心者が学ぶときにネックになるのが完全にお値段です。1000円台もあるにはあるのですが、たいていの1000円台は、そこを飲んでたらブルゴーニュ嫌いになるぐらいまずいので、美味しいのを飲むなら3000円は最低覚悟。ちゃんとした産地の特徴まで勉強したいとなると最低7000円覚悟

安く見積もってこれですからね・・・一筋縄では行きません。金持ちのマニアが多いのもこのお値段が高い!ってところもあり、世界中のステータスシンボルとしても物凄く有用な面があります。

様は「ブルゴーニュに詳しい俺凄いでしょ!」的な要素は正直あります。否定しません。世界中の金持ちがそう思ってる節があり、世界で争奪戦になるのでお値段がどんどん向上しているのが現在のブルゴーニュです。

ボルドーも高級産地ですが、ボルドーのトップシャトーの生産量の生産量に対してい、ブルゴーニュのトップシャトーは極端に生産量が少ないです!

例えばこんな感じです。

・シャトー・マルゴー 200,000本

・ロマネ・コンティ 7000本

そう、わずか1/30ぐらいしか生産されていないので、争奪戦になってしまうのです。世界中に200万円なんてポンと出せるさ!ってお金持ちは明らかに7000人より多いので、その人たちが競り合ってる感じですね。。。

15年ぐらい前は「村名格」と呼ばれワインのお値段が大体優良な生産者で5,000円前後でしたが、近ごろは10,000円超えがざらです。最上カテゴリーのグランクリュはもっと値上がり率は高くて、15年前でも「最近は高くなった!」って言われていたところから3倍は上がってると思います。20,000円だったワインが60,000円ですからね・・・やってられません。

歴史はあるの

そもそもは中世の時代に修道院たちが切り開いた土地で、産地のいたる所に残る石垣(クロと呼ばれる)は中世の修道士たちが、せっせと石をどけて積み上げた物です!

実際にしっかりと石垣になってるので、当時の人たちは相当の苦労をして開墾したであろう事は想像に難しくありません。

歴史が長いので、歴史にまつわるエピソードでも有名なのが例えばナポレオン。

ナポレオンは戦争の時には必ずブルゴーニュの「シャンベルタン」をもって戦争に行ったそうですよ。

他にもロマネ・コンティの「コンティ」は中世の所有者「コンティ侯爵」の名前です。この「コンティ侯爵」とこの畑を取り合ったのがルイ13世の妾で「マダム・ポンパドール」です!もしポンパドールがこの畑を取っていたら、「ロマネ・ポンパドール」だったかもしれません。パン屋やってる場合じゃありません!

もう1つの有名どこは「コルトン・シャルルマーニュ」って畑も、歴史からです。ただいこちらは時代が古すぎて(西暦800年前後の話)定かではないそうですが、当時の王様「カール大帝」(フランス語名がシャルルマーニュ)が赤ワインを飲んだ時に赤く染まった自慢のお髭を笑われてブチ切れて、もうあの畑に赤ワイン作らせるな!っと命令したところから白ワインしか造れなくなった。と言う逸話があります。

非常に歴史ある産地な事は何となくわかると思います。

ワインのタイプは?

ワインのタイプは赤に関しては簡単です。大別すれば「さっぱり系」です。

基本的には色合いも薄いですし、黒い果実よりも赤い果実の香りがして、タンニンも控えめですし「がっつり濃い」なんて事はまずありえません!

ピノ・ノワールが主体になる事がほとんどなのと、冷涼から温和な気候なのがその理由です!品種に関しては後程解説します!

それに対して白ワインは実に多様です!「さっぱり系」から「がっつり重たい系」まで全部あります!しかも品種はほぼシャルドネ1種類なのにです!これも後程、品種のところで解説しますね。

ブルゴーニュのブドウ品種

ブルゴーニュは基本的には単一品種でワインを作る地域です。一部混ぜてあるのもありますが、今のところは廉価ワインの設定と言うところなので、大雑把に把握しておけばいいと思います。後程少し触れます。

使える品種は主に「白2 赤2」ですが、白も赤も上位品種と下位品種の構成になっていて、主役は赤白1つずつしかない!と言う覚え方で大丈夫です!

白ワインの品種

シャルドネ (Chadonnay)

白ワインの主役になる品種はシャルドネです。世界で最も人気のある品種であり、ブルゴーニュがその中でも最高の産地とされている程、この地のシャルドネは人気があります!

最高級品は1本50万円を超える恐ろしく高価な物から、1000円台中盤ぐらいまで幅広く存在します。

品種としては早熟な品種で、収穫が8月中に始まっちゃう事もあるぐらいです。冷涼から温和な北半球としては最も早いぐらいですね。

そしてシャルドネの味わい最大の特徴は「個性がない」につきます!

ん?そうですよ。個性ないんです。個性がないのに世界で一番人気のあるブドウ品種に慣れているのは、個性がない分、その土地の味わい、フランス語でよく言う「テロワール」を反映してくれるのが最大の特徴です。

その結果、南北に長いブルゴーニュでは味わいが大雑把に

冷涼な北の方では「さっぱり系」
真ん中ぐらいでは「バランス型」
南の方では「熟した感じ」

とその場所によってさまざまなタイプが作られていきます!樽を使って、その味わいをワインにつけるのも、そもそもの特徴がないから出来る芸当です。

アリゴテ Aligote

正直、シャルドネの格下品種ですがアリゴテから作られるワインも少量ですが生産されています。シャルドネよりさらに早熟だったりします。

基本的には酸が高くて、さっぱり系しかほぼ見かけません。

チャンド熟してないとか、多収量で作ると「ペラッペラなのに酸っぱい!」と言う、これ誰に美味しいの?ってワインを造りがちなので、そう言うの飲んだ人にドンドン嫌われていきます。

たまに優良生産者はこう言う所も手を抜かないので、飲むなら優良な生産者にしてください!しっかり凝縮感があるアリゴテはボディも出るし、酸もミネラルもある美味しい飲み物に変わります!

ありごてー気分になりますよ。はい。なりますよ。。。。

ソーヴィニヨン・ブラン

最初は覚えなくていい

シャブリの南西にある「サン・ブリ」でだけ作られています。が、めったに見ないので今回の解説では割愛です。

ピノ・グリ

最初は覚えなくていい

ほぼ見かけませんが、ほんとに稀にあります。元がピノ・ノワールの突然変異なのでこの辺でも多少あるんですね。

特徴を語る程の飲んだ経験もないですし、まず普通には見ません。ので割愛です。

赤ワイン品種

ピノ・ノワール Pinot-Noir

ブルゴーニュと言えばやっぱりこれ!と言われる品種ですね。

世界中でも大人気で、その「すべてがブルゴーニュのワインを目指している!」と言っても過言ではありません。

粒が小さくて、色素も薄い品種で、基本的には「チャーミング」とか「エレガント」とか言われるワインを造ります。熱い所で作ると、すこし黒い果実が混ざるのと、甘ったるくなります。

赤ワインの品種としては最も早熟な部類で、近ごろは9月頭ぐらいの収穫が主流になりつつあります。

味わいは果実の色言う所の「赤果実」系(ストロベリー、ラズベリーなんかですね)の味わいが強くなる傾向にあって、花の香りもします。

最上級の物はピノ・ノワールにしか確かに感じない「うっとりする様な香りがあります!」なんなら「エロい」です!!官能的な香りです。はぁはぁァァァァ

安いブルゴーニュは飲むな!って話になるのですが、多収量で作ると、ちゃんと熟さず酸がやたら高いブドウになってしまうので、「すっぱい赤ワイン」になってしまします。

安いワイン = 多収量

なので、1,000円台のブルゴーニュは95%以上の確率でまずいです!!

栽培が難しい品種なのでちゃんと作ると、どうしてもそれなりに収量を落とさないといけないので、世界中どこを見ても最安値にはラインナップされません!高級なブドウ品種と言って大丈夫です!

ガメイ Gamey

白ワインのアリゴテ同様、格下に見られている品種ですね。

アリゴテとこれも同じで、適当に作るとめちゃくちゃ酸度が高くて酸っぱいワインを造りがちです。あと変な青さがついてきたり、とにかくまずくなりまず。

ボジョレーヌーヴォーで使う品種なので、大量生産物を飲む機会が多くなりがちで、その結果めちゃくちゃ嫌われている!と言っても過言ではないですね。「まずいイメージ」が付き過ぎましたので、日本ではワイン好きに恐ろしいほど人気ないです。

ブルゴーニュでは単一で使う事はありません!

・パストゥ・グラン
・コトー・デュ・ブルギニョン

の二つでピノ・ノワールと混ぜて使います。

パストゥ・グランは同じ地区なら混ぜて良くて最低「1/3」はピノ・ノワールを使うルール。

それに対してコトー・デュ・ブルギニョンはボジョレーまで含めて地区を混ぜてもいいし、ピノとガメイの比率も自由!やりたい放題やっていいAOPです。

コトー・デュ・ブルギニョンは地区も混ぜられるので、今後温暖化による影響を多少緩和できるAOPになる可能性を秘めています!例えばガメイで補酸するみたいな事も可能ですからね。

ブルゴーニュの大まかな産地

出典: Fernando Beteta

主に4つの地域に分かれて説明されることが多いので、その4つについて解説していきましょう!上から

・シャブリ Chablis
・コート・ドール Cote-d’Or
・コート・シャロネーズ Cote Chalonnaise
・マコン地区 Maconnais

の4つに分かれますね。ボジョレーも入れるのか迷いますが(地図にがっつり入ってるし)今回は除外します。あそこはボジョレー地区です!!それにブドウ品種も主体が違いますしね。

シャブリ Chablis

まずは最北の産地、シャブリです。シャブリは地図で見てもわかる通り、結構ぽつんと離れています。

断然北にある産地なので、他に比べても明らかに気温が低くて、冷涼な気候(Cool Climate)になります。

土壌はよく教科書なんかで書かれる「キメリジャン」と言う石灰土壌があります。

シャブリ = キメリジャン

ぐらいの勢いで習いますが、実は結構「嘘」です。実際、嘘は言い過ぎかもしれませんが。一番下の格「村名:シャブリ」は斜面の下部、もしくは平地にある畑がほとんどなのですが、そこら辺は石灰質ではありますが、キメリジャンではございません!

キメリジャンは斜面の中腹ぐらいに多いので、大体「グラン・クリュ」か「プルミエ・クリュ」と言われる上級畑に存在するのがキメリジャンです。

ですから村名ワインを飲んで、「ミネラルがあるのはキメリジャン土壌の・・・うんぬんかんぬん」って言うのは嘘です。騙されないでください。

味わいに関しては、あまり樽を使う事もなく、ストレートでクリアな味わい。そしてミネラル豊富で酸のキレがある硬質なワイン。がステレオタイプな味わいで存在しますので、すっきりワインの代名詞ともいえます。

このステレオタイプなワインを造っておけば売れた時代と言うのがあって、それに胡坐をかいた生産者が、苦労しないで適当なワインを造りまくったおかげで、近年はその評価をかなり落としていました。

そこで、ここ最近はこの味わいだけではなくて、もう少し凝縮感のある味わいや、より洗練されたキレを求めた味わいなど、味に対して努力をする様になってきています。

先進的なワイン通こそ、今まさにシャブリを見直している所です。

コート・ドール Cote-d’Or

コート・ドールとは「黄金の丘」と言う意味で、秋になると一面「真っ黄色」な丘になる事から名付けられた地名です。(写真の赤いとこはたぶん病気区画)

ブルゴーニュワインの主役は間違いなくこの「コート・ドール」ですね。

細かく見ていくと、さらに2分割北側が「コート・ド・ニュイ」、南側が「コート・ド・ボーヌ」に分かれますが、今回はそこすらも割愛します!初心者特化型です。

初心者の方は「ふーん。二つに分かれるんだ」だけで大丈夫です!また中級編で詳しくやります!

この辺りは基本的には東向きに斜面が向いています。たまに地図で東西に長い感じの地図が出てくる事がありますが、東西はめっちゃ狭いです。単に横にして見やすくしてある地図なので騙されないで下さい。僕は初心者の頃、騙されましたよ。

南北に長くて、西側が山です(山って程高くない丘)。なので基本的に斜面が東側を向いているのが最大の特徴です!

東向いてると朝日が当たるんですよ。お日様は東から登りますからね!そして、大して急ではない斜面なので、夕方までしっかりとお日様が当たってくれる、果実が熟すにはなかなか素晴らしい環境です。

温和な気候で、1年を通して多くはないけど少なくもない程度の雨が降ります。生育期にも降るので、生産者的には病気との戦い、収穫期の雨との駆け引きがあるので、ヴィンテージの影響が出やすい場所でもあります。(「コート・ドール」と言うかブルゴーニュ全般ですね)

なんと言っても世界1高価な赤ワイン「ロマネ・コンティ」と白ワイン「モンラッシェ」の産地でもありますので、高級ワインが目白押しです!

ピノ・ノワールもシャルドネも世界中が目指すのは間違いなくブルゴーニュの「コート・ドール」なんだ!って事を知っておくといいと思います。

コート・シャロネーズ Cote Chalonnaise

コート・ドールからすぐ南に位置するのが、コート・シャロネーズです。一番南の村「シャサーニュ・モンラッシェ」からシャロネーズの「リュリー」までは徒歩圏内です!

にもかかわらず、格が3つぐらいは下に見られている気がします。シャロネーズはブルゴーニュのお買い得の宝庫なので、初心者の方は一番学習向きだと思いますよ。

コート・ドールより南にあるし、マコン地区は「暖かい」イメージなので、シャロネーズもコート・ドールより暖かいイメージで想像されていますが、実は標高がちょっと高いので涼しいぐらいです。

近年の温暖化でコート・ドール側にワインに明らかに過熟が見られるようになってきているので、シャロネーズの方がエレガント!なんて事も出始めています。

有名な畑も村もないので、どうしても知名度が上がらずにセールス面ではかなりの苦労をしている地域ですが、それだけに本当に・・・何度も言いますがお買い得の宝庫です!

個人的にはリュリーなんかホントに旨いのいっぱい見つかるから大好きですよ。

マコン地区 Maconnais

もっとも南にあって、生産のほとんどがシャルドネになります。赤もなくはないですが、めったに見かけないのでほっときます。

南になり、シャロネーズの様に標高があるわけではないので、気温も実際に少し高くなります。

その結果、出来上がるワインは少し南国のフルーツ感が出てくるのが特徴と言われていますね。俗にいうパッションフルーツやらパイナップルやらですね。

これも、本当は気候よりも別に要因があるのですが、中級編以降で解説しようと思っています。初心者の方は

マコン = 南国のフルーツ

で最初は全然OKな覚え方です。堅苦しくしないで、ちょっと陽気に飲もうぜ!ってノリで覚えちゃいましょう。

最近はそうでもないワインが増えてきています。どちらかと言えばコート・ドールみたいな雰囲気のワインですね。樽を使って、こってり味付けて、収穫も早めて酸をきれいに表現したりと、寄せに行ってますね。

まとめ

全体は北から見るとわかるのは、全体的にコート・ドールに寄せに行っているのが現在のブルゴーニュの姿です。

お値段の話でしましたが、コート・ドールのワインが値上がりし過ぎているので、他の地区にコート・ドールの代わりになる物はないのか?と言う世界的な需要がもたらしている部分も大いにあると思います。

シャルドネにしろ、ピノにしろ、飲めば飲むほど、なぜか他の場所とは違う味わいがするのがブルゴーニュです!世界中の産地がブルゴーニュっぽい雰囲気を目指していながら、たどり着けない「何か」を持っているのですが、科学の力でもいまだにそれの原因がわかっていません。

「テロワール」と言うふわっとした言葉の意味を考えさせられるのが、このブルゴーニュです。

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