南アフリカワインを初心者にもわかりやすく解説

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最近ニューワールドの中でもひときわ注目度が高いのが、この南アフリカです!

お値段は決して安いわけではないですが、品質的の向上が目覚ましく、そして冷涼産地の開拓が進んでいるので、目が離せません!そんな産地を

・南アフリカの気象や土壌の
・南アフリカの主要品種
・産地の解説
・おすすめ生産者

の順番で解説していきます!

いいワインが多いと聞いても、なかなか取っつき辛いとは思うので、勇気を出してつっつくきっかけになると思いますよ!

南アフリカの気候や土壌

出典:Wine of South Africa

南アフリカといってもワイン生産のほとんどを、喜望峰で有名なアフリカ大陸の南端にあたる、ウェスタンケープ州でそのほとんどを生産しています!ノーザンケープ州でも多少生産しているらしいですが、ほぼ地元消費用の安ワイン産地で、輸出市場で見かける事は、いまのとろこ皆無です。

アフリカ大陸の南端といっても南緯32-34.5度ぐらの位置にあり、ワインベルトの北端、南緯30度付近まで来ています。北半球で言えばヨーロッパはどこも入らず、アフリカ大陸の北側あたりなので、その感覚で言えば、相当に暑いはずです。

でもこの地域でワイン生産が可能になっているのは、喜望峰あたりから西側に回り込んで流れる「ベンゲラ海流」がとても冷たい寒流で、この海流から流れ込む風が非常に涼しいためです。

しかも寒流なので上昇気流の発生が少なく、沿岸沿いなのに雨も少ない!とブドウ産地に適した環境を作り出しているのは、この海流のおかげです。海流って改めて凄い。

この南西からの冷気以外にも、春頃から南東から時折吹き込む強い風、地元では「ケープ・ドクター」と呼ばれる風が、気温の緩和により一層助けをくれる。日本で言うところの春一番的な風ですね。

ケープ・ドクターは昔から、疫病などを払う風と信じられているから、この名前らしいが、近年はこの強風があまりに強くて問題にもなり始めているらしい。

この2つの冷却効果で涼しい、とは言え風が入ってこない場所は、それでも暑い!そこでもう1つ重要になるのが標高です。この辺りは山が多くて、地形がもの凄く入り組んでいます。

そうすると標高の高いところと、風の通り道になる、渓谷(Valley)は涼しいけど、抜けた後の平地は暑くなるなど、近い場所でも場所によってだいぶ気温が変わります。

入り組んだ山間なので、当然斜面の向きもあっちもこっちもあるので、その方角によっても日当たり、気温が変わるので、一つの産地でも多様なワインを生み出している場所が沢山あります。

土壌に関しては、南アフリカと言ったらこの土壌でしょ!的なものが特になく、入り組んでいる地形で、非常にさまざまな土壌タイプが存在します。多様なワインを生み出してくれる懐の深さ!と言うのはいいところですが、国際市場でワインを売るためのキャラクター作りとしては、なかなかブランディングが難しい要素の一つですね。

南アフリカの主要品種

赤ワイン品種

カベルネ・ソーヴィニヨン

もっとも作付面積が広い品種がカベルネ・ソーヴィニヨンです。一昔前のカベルネブームに乗っかって作付面積が増えた品種ですが、今後の動向では変わるかもしれませんね。とはいえ、歴史的に見ても高級ワインの主要な品種です!フルボディのワイン生産では引き続き存在感が大きい品種です。

メルロー

カベルネ植えてるとこには、だいたいセットでこちらも作付面積が増えますね。南アフリカでは単一の場合、結構フルボディタイプの生産が多いですが、多くの場合はブレンドに使います

シラー

こちらもフルボディ全盛期の名残で、温かいところで作るフルボディな物が多かったのですが、近年、シラーの冷涼産地化が進む中で、南アフリカでも冷涼シラーがかなりの可能性を見せています!こちらは今後、今までと違ったシラーを見せてくれる一大注目品種ですね。

ピノ・ノワール

少し前までは、南アフリカのピノ・ノワールは大して見向きもされていませんでしたが、ここ10年異様な盛り上がりを見せているのが、間違いなくピノ・ノワールです。新しい生産者が次々にワイナリーを開業して、その冷涼産地の中心である、エルギンやウォーカーベイのピノは今や世界中で引く手あまたです!

ピノ・タージュ

ピノ・ノワールとサンソーを掛け合わせて作った、南アフリカでしかほぼ作られていない、固有品種的な位置づけがこれです。教科書的には一番覚えるべき品種です。単一で作ると赤い果実系のチャーミングな品種ですが、高樹齢な樹から作るフルボディが評価が高いです。この品種とボルドー系を混ぜると「ケープブレンド」と呼ばれる、南アフリカ、オリジナルブレンドワインの完成です!

白ワイン

シュナン・ブラン

南アフリカで、もっとも重要な白ワイン品種はシュナンブランです。とはいえ国際競争力が高い品種ではなかったので、近年重要性が落ちてきている様子でしたが、今後再び伸びしろがありそうな品種でもあります。冷涼産地ブームで注目度が世界的にもあがっているからですね。

南アフリカの場合は冷涼なシュナンを作っていたわけではないので、イメージの脱却をするのか、このまま「重たいシュナン」を貫いてキャラづくりするのか悩ましいところです。

ソーヴィニヨン・ブラン

日本ではあまり見かけませんが、ソーヴィニヨン・ブランも成功している品種です!こちらはもともと冷涼産地で花開いているので、今後も需要が伸びそうな品種ですね。

割と草の特徴を示すことが多いので、そういった意味ではニュージーランド的な方向です。高い値段が付けづらい品種なのが輸出市場では悩ましいところです。

シャルドネ

優秀なピノ・ノワールが注目される産地は、当然優秀なシャルドネが育つ可能性がある産地になってきます!こちらも一昔前の重たいだけのシャルドネを卒業して、冷涼地で超高品質なシャルドネが成功してきています。

だいたいピノと同じ生産者が作っているので、ピノとセットで注目すべき品種です。

もちろんテーブルワインの生産もめちゃくちゃ多い品種ではあります。

南アフリカの主要産地

南アフリカの主要産地は先にも書いたように、ウェスタンケープ州に集中しています。その中でもさらに大きく3つの地域が有名なので、その3つを分けて解説していきます。

沿岸地域(Coastal Region)

ウェスタンケープ州の西側、最初の地図で言うと、赤とかピンク、とすぐ隣の緑っぽくなってるエリアあたりを「Coastal region」と呼びます。

南アフリカワインの聖地的な場所で、ワイン生産の歴史の中でも中心になるエリアがこのあたりです。

基本的にはまぁまぁ温暖(Warm Climate)なエリアですが、入り組んだ地形と、海に近いなどの影響で局地的には冷涼(Cool Climate)とまで呼べる地域が入り混じります。

ステレンボッシュ(Stellenbosch)

南アフリカの高級ワインが多い産地と言えば、ここが最も有名な産地です。一昔前のフルボディ最盛期にもっとも重宝された産地の一つです。

同じ産地のなかでも、標高や方角にかなり多様性があるので、今後は冷涼場所で作ったワインが注目されてくるでしょうが、同じ名前の中で温暖から冷涼まであると我々消費者にとっては何を基準に選べばいいのか、よくわからないのが、この産地の悩ましいところです。さらに細分化した地区の名前もありますが、そこまで突っ込んで覚えるのはよほどのマニアです。

パール(Paarl)

ここはステレンボッシュからさらに内陸に入った場所になるので、海洋の影響が少なく暑い産地です。濃いワインが沢山生産されている地区。今後の伸びは心配

・コンスタンシア(Constantia)

ケープタウンのすぐ真南ぐらいにある産地で、ケープ・ドクターが吹き荒れて、涼しい産地です。ソーヴィニヨン・ブランと言えばここでしょ!的な立場を確立している産地なので、南アフリカソーヴィニヨン・ブランを飲むならぜひトライしたい産地です。

スワートランド(Swartland)

ウェスタンケープ州でも最も大きい地区で、昔から割とテーブルワインの生産が多い、産地とみなされている場所です。

近年は改革が一気に進み、高級ワインの生産も著しく伸びてきている地域ですが、なにせでかいので消費者目線では見極めが難しいですね。

ケープブレンドワインの生産も非常に多い場所なので、南アフリカのブレンドを試したい場合には、この辺りを飲むと、より広域リージョンの物より、味わいが見極められるとは思います。

あと、1つ覚えるなら「ダーリング(Darling)地区」は冷涼で様々は品種が可能性を見せているので覚えておきたい所です。

ブレーデ・リヴァー・ヴァレー(Breede River Valley)

ウェスタンケープ州の中でも内陸のほうに伸びていく産地です。名前の通り川があり、その渓谷沿いが暑すぎないので、ブドウ栽培を可能にしています。

上の地図で言うと深緑っぽく内陸に伸びてる産地ですね。

もっともこの地区は、大量消費用のワインと、蒸留酒用のブドウ生産が多い。と言うのも結構肥沃な大地で、ブドウの大量生産に向いているからですね。

ロバートソン(Robertson)

覚えるとしたらロバートソン地区です。ケープ・サウス・コースト寄りで、わりかし涼しいらしく、一部でシラーとシャルドネが評価されだしている。こういう産地は急にスターが表れて、一躍有名になったりするので、押さえておきたい。

ケープ・サウス・コースト(Cape South Coast)

最近、一躍有名になっている産地がここら辺です。本当の最南端あたりに広がる、海洋の影響が大きい冷涼な産地ですね。

ウォーカー・ベイ(Walker Bay)

もともとシャルドネといくらかピノ・ノワールを生産している土地でしたが、近年はより冷涼な場所を求めて、新しい生産者が続々開拓している場所です。

シラーもや、たまにサンソーの冷涼産地ものとかも見かけますね。優秀な生産者が多く、美味しいものは正直決して安くないですが、フランスワインに比べれば可愛いものなので、発掘が楽しい産地です。

エルギン(Elgin)

ウォーカベイよりさらに冷涼な場所で、小さな場所ですが、南アフリカで1番注目されている産地ではないでしょうか?

スター生産者が続々と誕生している地で、ピノ、シャルドネは「これブルゴーニュのグランクリュいらなくない?」と言えるレベルの物をたくさん輩出しています!シラーもスパイシーで、これピノですか?みたいなエレガントさを持つものを作りますよ。

いま大注目の産地です。

オススメ生産者

南アフリカの優秀な生産者を開拓するときに役に立つのはティム・アトキンMWが、毎年南アフリカの生産者格付けと言うもの出してくれるので、いまはその指標が世界でも最も信頼がある指標です。興味ある方は検索してみてください。

クリスタルム Crystallum 

早くも入手困難にあなりつつある、南アフリカの新星です。

ワイナリーが2007年設立なので、ファーストヴィンテージ2008年、最新ヴィンテージ2018年と10年分ぐらいしかリリースしていないのにも関わらずですよ!

ウォーカーベイにあるワイナリーで、最も人気が高いのはピノ・ノワール。はっきり言ってかなり旨いです!一番格下の「ピーター・マックス」を飲んだ時、「これで4000円ならブルゴーニュのグランクリュいらなくない?」でした。

ピノだけでなくシャルドネはもちろん、南仏ブレンドまで作っているのが面白い!

ティムアトキンスの1級ワイナリーでもあります。

ハミルトン・ラッセル Hamilton Russell

ウォーカーベイで最初に設立されたワイナリーで、ウォーカーベイを作り上げた生産者として君臨しています。と言っても1975年設立なので、この地がいかに新しい産地なのかが垣間見えますね。

ピノも有名ですが、シャルドネの評価はさらに高く、ワインスペクター誌では世界TOP100ランキングで11位にまで上り詰めたことがあります!

南アフリカワインで5000円超えてくるので、手出ししづらいでしょうが、飲めばわかる!ブルゴーニュの5000円台と比べたら・・・かわいそうなレベル。

ティムアトキンスの1級ワイナリーでもあります。

リチャード・カーショウ Richard Kershaw

エルギンにあるワイナリーで、リチャード・カーショウMW(マスターオブワイン)エルギンにが設立したワイナリーです。

さすが、MWでワインの事を栽培から知り尽くしている人が、生産者になったらどうなるのか?と言う問いの答えを見せてくれますよ。

シラーを飲んだ時の衝撃は結構忘れられません!ここのシラーで冷涼シラーに目覚めたといっても過言ではないぐらい、エレガントでスパイシーな物を作ります。

エレガントなワインを選びたいシーンでもピノ以外の選択肢がここにあります!!

高いですけどね。ブルゴーニュに投資するなら数本飲めますよ。ティムアトキンスの1級ワイナリーでもありますしね。

グレネリー・エステート Glenelly Estate

冷涼、冷涼ばかり言ってないで、しっかりした系もおすすめしますね。

こちらはステレンボッシュのワイナリーでオーナーはなんとボルドーの「シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ ラランド」の元オーナーが務めるというワイナリー。当然ながらボルドー品種を熟知しています!

何がいいって、しっかりしたボルドータイプで、フィネスまで感じられる1本なのに2000円台前半。素晴らしいの一言。

シャルドネは飲んだことないですが、こちらもうまいらしいですよ!

グラハム ベック Graham Beck

ここは、南アフリカで美味しいスパークリングワインを作る生産者です。ロバートソンと言う、ブレーデ・リヴァー・ヴァレーの中にある、南側の地区にワイナリーがあります。

オバマ大統領が、大統領選に立候補を決めた夜に飲み、その美味しさに大統領選の祝杯用にさらに買い付けたと言う逸話があります。

実際に飲んでみても2000円前後で買えるスパークリングワインとしては、抜きに出ている存在です。5~6000円のシャンパーニュ買うならこっち3本買ったほうが幸せになれる可能性が高いです。

イースト香もありますし、複雑さもありますし、なんせ安いスパークリングワインって泡がヘタレると美味しくないですが、そんな事ありません!酒の質が高いと、ちゃんとうまいんですよ!酸もバランスが見事です。

まとめ

ほかのニューワールドと同様で、かつてのテーブルワイン供給産地、早い話が濃い目で安いワイン供給地からの脱却が課題なのですが、南アフリカはその部分に関して、ほかのニューワールドに比べても、いち早く高級産地としての名を確立してきそうな雰囲気があります。

非常に地形や気候が、さほど大きくない地域で豊富なので、今後は近い場所でいろんなブドウが取れる利点を生かして、フィールドブレンド的なワインを作るうえでも、ものすごく有利な場所として注目度が上がっていくと思います!

南アフリカはソムリエなら常にその動向を知っておくべきニューワールドの筆頭です!!

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