【初級編】イタリアワインを初心者にもわかり易く解説

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イタリアワインは奥が深い。間違いなく世界有数の産地で歴史もある。ただし世界観がめちゃくちゃ独特なので、他の国のワインを学んでもイタリアの事はほとんどわからない!

って言う所があるので、ここでは初級編。

まず押さえておきたいポイントに整理して解説します。

イタリア全土の概要

出典: Fernando Beteta

イタリアはご存じの通りブーツの形をしたヨーロッパでは南部にある国です。地中海に突き出す形で地中海の島である、シチリア島になると、もはやほとんどアフリカと同緯度の部分が出てくるぐらい南側です。

南北も長い国で「北緯46度 ~ 36度」と10度分ぐらいの長さがある。大体1度で111kmぐらいらしいので1200kmぐらいの南北差があるので、気候も全然違うであろうことは想像に難しくないと思います。

イタリア全体では割と標高も高くないですが、北側はアルプス山脈にかかる所もあるので、極端に標高が高い所もあったりと、北側だけ緯度、標高共に涼しくなる要素を持っていますが、全体としては「暑い」要素の方が多いのがイタリアです。

気候もこれだけ地中海に面してますからね「地中海性気候」が主体 になります。

少し解説するなら「北部」「中部」「南部」に分けていきたい所です。

基本的にイタリアは「温度高め」のワイン産地です。北部ではそうでもない所があるので、そこだけは別扱いですけど。そして南には完全に「暑い」です。遠くない将来ブドウ産地としては限界を迎えるとも言われています。

イタリアの面倒くさいワイン法

・DOCG
・DOC
・IGT
・テーブルワイン

の4ランクがあるのが基本。

イタリアはフランスで言う所の「AOP」が「DOC」とか「DOCG」と言う表記になっているのが有名です。基本的に最上級が「DOCG」ついで「DOC」です。

何が面倒くさいって「DOCG」だけでも70個を超え「DOC」は330個を超えています。厳密に書かないのにも理由があって結構よく増えるんですよ。だから数値にもはや意味はない!ぐらいの気持ちで構えましょうwww

DOCGだけは売り場でも見分けが付けやすくて「DOCG」専用のラベルがキャップシールのあたりに大抵ついています。

こんな感じのシールが、ネックのどこかしらについてるのが「DOCG」のワインで最上級と言う事になります。

DOCに関してはラベルを読むしかなく、かなり難解です!

有名どころなんかがあったりしますが、そう言うのはおいおい覚えていきましょう。後程、超有名どこのDOCGとDOCをご紹介します。

ちなみにその下の格付けとして「IGT」があります。DOCGなんかが「産地」「品種」「作り方」まで細かく規定があるのに対して、IGTは「産地」ぐらいしか規定がないジャンルです。

基本的には「DOCG」や「DOC」の方が格が高くて「IGT」は格下になりるのですが、稀に「IGP」だけど凄く高いワインなんかもあります!

決まりは無視してでも美味しいワインを贅沢に作りたい!

みたいな気持ちで造る生産者がいるからです。これの集合体となったのが今では「DOC」ですが「ボルゲリ」と言うトスカーナ州の産地があります。

超有名なサッシカイアを始めとする、スーパータスカン(Super Tuscan)と呼ばれるワイン達が産地全体でボルドー系の品種を植えまくって、世界的にもトップクラスのワインを造りまくってた結果、IGTなのに超高価格で取引されるようになって、ついにはIGTからDOCに昇格を果たしています。

ここは極端な事例ですが、他の地域にも「IGTなのに高級品」みたいなのがたまに存在してきます。

ちなみにその下にテーブルワインの規定があって、これはルールが特にないです。産地の規定もなければブドウもない。なんならビンテージも無視できるレベル。

国内消費用がほとんどで、最初は覚えなくて大丈夫です。(ここにも稀な奴はいます)

とにかくブドウ品種が豊富

イタリアが「しっちゃかめっちゃか」で覚えづらい最大の理由は

ブドウ品種が豊富過ぎる

に尽きます。

元々は別々の国だった物が無理くり1つにまとまってる国で、しかも、そのすべてが元からのワイン産地だった結果

オラが村のワインが1番

と言う思いが全く崩れずに今に至り、ブドウ品種もその地域で伝統的に使っていたものをそのまま使い続けているので、世界中でも「その村でしか見ない!」みたいな品種がゴロゴロしています。

こんな記事を書いている僕ですら「なにそれ?知らないよ」みたいなブドウ品種がいまだに大量にあるのがイタリアです。

イタリアワインは世界のワインを極めるよりも極めるのが難しいのでは?とすら思います。

「その村でしか見ない!」のも大変なのですが、むしろ国際品種が極端に少ないのも覚えるのが大変な要素です。有名な国際品種なんて北部の産地に見られる「ピノ・グリ」「ピノ・ネロ」(ピノ・ノワールの事)ぐらいですかね?

トレッビアーノ(フランス名 ユニブラン)とかもありますが、フランスではほぼコニャック用ですし・・・

覚えるのが大変なので超初級では一番最初に覚えるべき「産地+品種」の組み合わせをご紹介します。

最初に覚えるイタリアワインの超有名産地と品種

キャンティで有名 サンジョベーゼ

最初に覚えるべき産地は「キャンティ」の名前が有名な赤ワインの産地。トスカーナ州のキャンティ周りです。

キャンティはトスカーナ州、イタリアの中部にあって「フィレンツェ」とか斜塔が有名な「ピサ」のあたりにある産地です。

主要なブドウ品種は「サンジョベーゼ」。

イタリアワイン1有名な産地であり、品種ですが、このサンジョベーゼすら世界的には栽培があまりないですね。もう少し人気出ても良さそうですが、新世界でもたまにしか見ません。

サンジョベーゼは品質のばらつきがかなりひどいと言うか、安いキャンティがひたすら美味しくないだけかもしれませんが、酷い時の味が酷いです(笑)

僕自身、安いワインでワインを覚えていった口なので、初期のころ一番嫌いな品種でした!だってまずいんですよ。安キャンティ。

キャンティぐらい有名な産地になると「名前だけで売れる」と言う生産者が必ず出てきて、適当に大量生産する生産者が出てくるんです。ボルドーの安いのがやたらまずいのも同じ理屈なんですが、こういう有名産地の極端に安いのは適当な作りが原因で、時としてひどい味が生まれるので注意してください。

正しいサンジョベーゼの姿はせめて「1本 1500円」超えてください!ってのが僕の気持ちです。

赤い果実と黒い果実が入り混じっった果実感ある味わいに、きりっとした酸があります。タンニンも強めですが、割とソフトですかね。飲みやすい仕上がりと、たまに野性的な風味を感じたりもします。

「キャンティ」だけじゃなくて

「キャンティ・クラシコ」
「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」

なんてDOCGもあります。ブルネッロはかなりの高級品産地ですね。「5000円~」な世界です。しっかりしたワインがキャンティに比べると多いですよ。

「キャンティ・クラシコ」は「元々のキャンティ」で、キャンティ制定後うちも「キャンティ」名乗りたい!って周辺の生産者がごねた結果、どんどん認めて「キャンティ」が巨大化。

もはや「キャンティ」じゃねーだろ?って所まで「キャンティ」になった結果、今度は大本の人たちがごねだして「あそこと一緒にすんな!」となり

「じゃあ大本のあなたたちには「クラシコ」の称号をあげましょう」

と言う結果生まれた、格上称号です。

つまりただの「キャンティ」は本来なら「キャンティ」じゃなかった地域です。イタリアはこの方式で産地が増えがちです。現在は「プロセッコ」がこの方式で増えまくってますwww

ピエモンテ州とネッビオーロ

次いで覚えるべき産地が、ピエモンテ州のネッビオーロです。

代表産地は「バローロ」「バルバレスコ」の2つです。

共に高級ワインの産地で、おいそれとは飲めませんが、イタリアでは偉大な産地なのは間違いありません。

そこで使われているブドウが「ネッビオーロ」です。

ネッビオーロは不思議な味わいのブドウです。ピノ・ノワールに似てるんですけど、はるかにタンニンが強いんですよね。

「モダンな作」りと「クラシックな作り」でもだいぶ味が違うのですが

モダン = 軽めの抽出でピノ・ノワールに近い 若いうちから飲める

クラシック = 抽出もしっかり。タンニンがきつくて若いうちは飲めない

なんて違いがあります。

お勉強的にはクラシックな方が面白くて、色合いが薄くて果実感も赤い果実で香りも色も「チャーミング」そうなんですけど口に入れたら色からは想像も出来ないぐらい「タンニン」が強くて口の中がギスギスします。

濃い色 = タンニン強い

が方程式だと思っていたら「ネッビオーロ」に全部覆されますよ。

タンニンは色素ではないんです。その事が学べる品種でもあります。

産地の「バローロ」と「バルバレスコ」に関しては

バローロが兄 バルバレスコが弟

みたいな関係性があり、バローロのは高級です。お値段には最低熟成期間の違いもありますね。バローロは最低でも3年熟成しないとリリース出来ないんですが、バルバレスコは2年。1年の差は生産者のキャッシュフローを考えても結構大きいです。

その他の有名産地

最初の2つが飛びぬけて有名なので、そのほかの重要産地は軽く紹介します。

フリウリとヴェネト

ここはイタリア北部ヴェネト州とその右隣は水の都で有名なフリウリ・ヴェネツィア・ジューリ州です。

フリウリは白ワインで有名で、ピノ・グリージョでシンプルでフルーテョな軽い味わいのワインが伸びています。

ピノ・グリージョはフランスのピノ・グリと同じブドウなのですが
・ピノ・グリージョは軽め
・ピノ・グリは重め

みたいな暗黙のルールが形成されてきていて、新世界でもピノ・グリージョと書いてあればほぼ間違いなく軽めのワインです!

ヴェネト州は赤ワインの「ヴァルポリツェッラ」、白ワインの「ソアーヴェ」が有名です。

ヴァルポリツェッラはコルヴィーナと言うブドウで造る、果実感たっぷりのフルーティーな物が多いです。

ちなみに、そのブドウを干してから醸造する濃いワインが「アマローネ」です。こちらはだいぶ高級品でもありますね。

ソアーヴェはよく見かける軽めの白ワインでお値段も安いめ。ガルガネーガから造るグビグビ飲めるワインが人気で、イタリアワインを扱う場所ではほぼ間違いなくありますね!

アヴルッツォ

「モンテプルチャーノ・ダブルッツォ」と言う一回では絶対に覚えられない産地が有名なのがこのアブルッツォです。キーボードで打つのも苦労します。

モンテプルチャーノがそのままブドウ品種の名前で、そこに州名がくっついた感じですね。

特に日本で人気があるような気がします。濃い赤ワインが作れるんですよね。

日本は濃いワインが売れる消費地なので、インポーターもその層を狙って輸入計画を立てるので増えやすいんだと思います。

世界的な教科書だとめっちゃ小さくしか載ってませんwww

まとめ

覚える事が多すぎると大変なので、サクッとこれぐらいしか産地を紹介しないのが「初級編」です。

特に「トスカーナ」「ピエモンテ」が最初の2つなのは誰もが文句ない所でしょう。

中級編では覚えるべき「イタリアでは有名産地」などを解説する予定ですが、超細かい上級では超細かい産地なんかも解説する必要が出てきます!正直。僕には出来ない可能性が高いので、いずれ専門家にでもお願いするかもしれません^^;

基本的に「暖かい国」と言うのも覚えておいてください。

これからの気候変動で2050年には半分以上の場所でワインが作れなくなると言われているイタリアですから移り変わりも見ていかないといけない産地でもあります。(だって30年なんてあっという間です)

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