ワインを学ぶ上で初心者が勘違いしやすい項目に「日本の常識で考えてしまう」って言うのがあると思います。
ワインにまつわる単語は、ワインがヨーロッパ生まれなので、ヨーロッパの常識で語られる事がほとんどです。
日本人がワインを学ぶ上で、どうも勘違いしやすかったり、理解にたどり着き辛い部分を抜き出して、解説とフォローをするのがこの記事の目的です!
僕自身、最初の頃にわかってなかったり勘違いしていた体験談がほとんど元になっていますので、気付き次第追記するかもしれません。
今のところの解説は、以下の目次通りです。
日本の常識で考えちゃだめなんですよ
日照時間が長い
ワインの勉強をしてて、わかってそうでわかってないランキングでは個人的には1時だと思ってます
日照時間が長い
勘違いしやすいのは、日照時間が長いって言うのは「よく晴れてて雲が少ない」が理由だと思いませんか?
僕は完全に思ってました。
実際に、そういう部分があるのも間違いではありません。しかし、日照時間が長いって言うのはそう言う事だけではないのです。
フランスのアルザスなんかが顕著な例ですが、アルザスはめちゃくちゃ日照時間が長いんです。夏なんてほぼ雨降らないですし、晴れてばかり。当然、日照時間が長そうです。
でもそれだけじゃないんです!
アルザスって大体「北緯48度」ぐらいにあるんですよ。日本の最北端、稚内でも「北緯45度」ですから、それよりもさらに北です。
3℃の違いを日本に当てはめるなら函館近辺なので、稚内と函館の関係ぐらい距離が空いてるわけです。
北海道単位もちょっとわかり辛いので、東京を軸に考えますと、東京が北緯「39.5度」で仙台が「38.2度」近辺なので、「東京ー仙台」ぐらいの間が「稚内ーアルザス」にあると思ってください。
結構、遠い感じしますよね。
昔習ったと思いますが、地球は極(北極や南極)に近い所では、夏は白夜と言って1日中、日が沈まないって習いましたよね?
そうなんですよ。日照時間が長いって、究極は北極の夏なんか1日の日照時間24時間が達成可能なんです!
北極は北緯90度なので超極端な例ですが、3度の違いも結構でかいんでが、たいていの日本人が感じている夏の日の長さは「東京」近辺の事が多いんではないでしょうか?
割と東西に長い国ですからね。
そこで、東京とアルザスの夏至の日の入りと日の出を比べてみましょう。
東京 出4:26 - 入19:00 14:34
アルザス 出5:29 - 入21:35 16:06
実に1時間32分の開きがあります。
東京の方が日の出がずいぶん早いのは、標準時子午線を東西のどこで取るのかの問題なので、アルザスと同じ時間に日の出したとすると20時ちょうどに日の入りする感じですかね。
日の入りした瞬間ってまだ明るさがあるので東京で20時半ぐらいまで明るかったら、なかなか夜にならねぇな?ってなりますよね。
それが21:35に日の入りなので22時過ぎまでは明るいのがアルザスです。
そう、体感で全然日の長さが違うんですよ!!
日本ってワイン産地としては意外と南側なので、日照時間が長いを「晴れが多い」って事にしちゃいがちなんですが、常識を地球単位で見直す必要がある、一番顕著な例がこれなんです。
地中海性気候
気候区分帯で出てくる「地中海性気候」
これはただ腹立たしいですよね。地中海性気候の場所って、地中海だけじゃないんですもん!
代表的な産地は当然地球海沿いの南ヨーロッパがありますが、その他にも「チリ全般」「アメリカのナパ・ヴァレー辺り」「オーストラリアのアデレード辺り」なんかも地中海性気候です!
世界的には2%しか存在しない気候帯だそうですが、夏に雨が少ないので、ブドウ産地としては有望なお天気です。
でも地中海はヨーロッパの物なので、名前に惑わされがちです。
完全に欧米至上主義の影響を受けた世界的お天気の名前です。こう言うヨーロッパ基準はいろいろ惑わされます。
ワインの香りと味
ワインの香りと味もヨーロッパが主体なので、結構困ります。
例えばピノ・ノワールなんか結構「梅干し」っぽい香りとか出る事ありますが、これは国際的なテイスティングでは使えません!
国際的なテイスティングに使える言葉はWSETが定めている単語がメインになってきていますが、はっきり言って日本人にはなじみのないフルーツが多いので困ります。
例えば赤い果実の記述でも
「赤スグリ」「クランベリー」「ラズベリー」「ストロベリー」「チェリー」「赤プラム」
なんかが並ぶのですが・・・イチゴとチェリー以外って、小さな違いまでほぼわからないじゃないですか?イチゴしか食わねぇもん。
他にも西洋スグリ、マルメロ、キルシュ、サルタナ、リコリス
等々「そんなもん知るか!!」って名前が沢山出てくるので困ります。
こう言ったなじみのない言葉を連発されるから、初心者は入りにくいんだろうなぁ。と言うのは想像に難しくありません。
とは言え、「梅干し」に「カツオ出汁」を加えたような味わい。って教えだしちゃうと、海外の人にはまるで通じなくなるので、国際感覚は大事です。